リアーナ、Fentyの名称を詐欺に利用した実父を相手取り訴訟を起こす
リアーナ、Fentyの名称を詐欺に利用した実父を相手取り訴訟を起こす

 Fentyブランドを展開しているリアーナが、実の父親に対して虚偽宣伝や商標権侵害行為の停止を求める訴訟を起こしたことが明らかになった。

 リアーナの本名はRobyn Rihanna Fenty(ロビン・リアーナ・フェンティ)で、2012年から自身が経営するコスメやファッション・ラインのブランド名としてFentyを使用している。2017年にはFenty Beauty(フェンティ・ビューティー)が米誌タイムの最優秀発明リストに載るなど、同ブランドは世界的に大成功を収めている。

 一方、リアーナの父Ronald Fenty(ロナルド・フェンティ)は、ビジネス・パートナーのMoses Joktan Perkins(モーゼズ・ジョクタン・パーキンス)とともにFenty Entertainmentを2017年4月に立ち上げた。父親の姓もFentyである以上、会社名そのものには問題はないものの、新会社設立のプレス・リリースにリアーナが関わっていると虚偽を記載し、投資家に嘘をついて出資させていたことが今回の訴訟の争点となっている。

 訴状によると、父親のFenty Entertainmentに対し、SBS Entertainmentという会社が、1,540万ドル(約16.8億円)の出資と引き換えに、リアーナが中南米で15公演と【Calibash Las Vegas】で15分のステージを2回行うことを提案した。父親側はこの取引に応じ、リアーナとロック・ネイション(リアーナの所属レーベル)が承認したかのように見せかけた。

 リアーナ側は最初の停止通告書を2018年3月に送付したが、秋に父親とパーキンスが今度は高級リゾート・ホテルの名称としてFentyを商標登録しようとしたため、2回目の停止通告書を同年12月に送付した。

 リアーナの弁護士Carla Wirtschafterは訴状で、「リアーナの代理人を務める権限を与えられている、そして/またはリアーナが世界中のさまざまな場所でパフォーマンスをするという嘘の約束と引き換えに、疑いを持たない第三者から多額の金を不正に集めるためにフェンティ氏とパーキンス氏はこれらの嘘を利用した。端的に言えば、フェンティ氏とパーキンス氏と彼らの会社は、リアーナの名前、彼女の知的財産、彼女の有名な“Fenty”ブランドが連想させる善意を悪用、または彼女を代表してビジネスを募る権限を今も過去にも与えられていない」と述べている。

 リアーナ側は、起源の虚偽指定(false designation of origin)、虚偽広告、プライバシーと広報の権利侵害などで告訴している。被告側がFentyの商標やリアーナの名前と混同されてしまうような名称を使用しない、彼女の系列として不正に宣伝しないという宣言と、これらの活動に対する禁止命令を出すよう裁判所に申し立てており、損害賠償も求めている。