わが家のたちは長命なのが自慢だ。今まで飼っていたどの子も20歳をすぎるまで長生きしてくれた。
 昨年の1月、雌猫で22歳のランと同じく20歳のウメが相次いで亡くなり、心にぽっかりと穴があいたみたいだった。しかし高齢の2匹の介護がとても可哀想だったので、もう猫は飼わないでおこうと夫と話した。
 ところが、猫好きの友人から可哀想な猫がいるのでもらってほしいとの電話があった。夫と話し合って、しかたないなあと引き取りに行くと、生後4カ月のアメリカンショートヘアの雌猫だった。
 女の子なのに、なんとも男前。競馬好きの夫が駒(写真奥)と名付けた。
 3日後、今度はお世話になっている動物病院の先生から電話。隣町の溝で鳴いていた子猫が運び込まれたという。
「えい! 1匹も2匹も一緒だ」というわけで、生後1カ月の白黒の雌猫がやってきた。名前はおしゃれにユズとした(同手前)。
 2匹は、初対面のときからじゃれあって大の仲良しになった。猫も人間と同じ。何かの縁があってわが家にやってきたのだ。2匹はどこに行くのも一緒で、元気に過ごしている。
 なぜうちの猫が長命なのか、よく聞かれる。「まあ、食べ放題、寝放題、自由にさせているからかな」と答えている。
「あんたと一緒やな」と夫。本当は、もっと彼女たちの生活を管理しなくてはならないのだが……。
 そうこうしているうちに、はっとした。今から2匹が20年生きたら、70歳の夫は90歳、65歳の私は85歳。猫の介護どころか、私たち夫婦がやばいことになっていないだろうか。子供のいない私たち夫婦は、2匹の猫たちのためにも(?)元気で長生きをしなくてはならないと話し合っている。

(石川純子さん 兵庫県/65歳/主婦)

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