アサヒカメラ特別編集「NUDE!ヌード」では、特集を組んだ沢渡朔さんと笠井爾示さんの対談を行っている。自身の撮影スタイルから、ヌードを取り巻く社会の影響まで、本音で語り合い、多いに盛り上がった。誌面に載せきれなかった内容もたくさん。
ここでは、ふたりが今回撮り下ろした、葵つかささん、麻生希さんをはじめ、ヌードのモデルについての話題を誌面では未収録の内容で紹介する。
笠井 沢渡さんはどうやってモデルになってもらう女性に声をかけているんですか?
沢渡 それ、いちばん問題だよね。仕事で撮ったことがあって、よかったら作品撮りのモデルを頼む。これは、わかりやすいんですよね。「NUDE!」に掲載した1990年代のアサヒカメラに載せたモノクロのシリーズでは、初めて撮ったモデルはほとんどいなかったかもしれない。当時はヘアヌード全盛期だったから、いいなと思う子に会うことも多かった。
今回の葵つかささんは2012年7月号のアサヒカメラでも撮影しているんだけど、初めて会ったときは当たり前だけど、普通の格好してくるじゃない。そのときは、特別だとは思わなかった。だけど、撮ったらかわいいんですよ、あの子は。AVの業界で、すごく人気があるみたいです。
笠井 僕の写真のモデルになってもらった麻生希さんは、撮影前に会う予定だったんですが、予定が合わず、初対面のまま撮影に入ったんです。でも、ノリが合ったので、ガーッと撮れましたね。
沢渡 反応がよかったわけね。彼女も面白いですよね。ファッションモデル並みのスタイルと美貌ですし。
笠井 はい。ものすごくプロポーションがよくて驚きましたね。
沢渡 撮影で向こうの反応がわからないと不安だよね。作品を撮っているんだってわかってくれて、モデルも向かってきてくれれば、大丈夫なんだけど。そうすると、お互いにセッションが始まるから。
笠井 向こうの表情や空気が変わると、撮れたなと思いますよね。逆にそうでないと、失敗かもしれない。
沢渡 そうだね。こういう写真を撮ろうって、ラフスケッチを用意して撮るのがいいわけではないですから。
笠井 僕の場合、撮影前に会っていたほうがいいとも必ずしも言えないんですよね。
沢渡 僕もそう思います。ぶっつけ本番でノリのよさでお互い撮って、いい感じに終わるのがいい。でも、欲が出て、いい感じに終わってしまうだけでいいのかなって思うときもある。
笠井 それはありますね。こんなの撮れた!っていうのは、撮っているときよりも、写真を見てるときに感じるものですよね。