PwCあらた有限責任監査法人 高潤玉さん(右):企画管理本部マネージャー。女性の健康施策として、産業医らによる「女性のからだ・こころのヘルスケア」社内セミナーを3月中旬に開催する/PwCあらた有限責任監査法人 本橋純子さん:アシュアランス・イノベーション&テクノロジー部マネージャー。2児の母で母親の介護も継続中。更年期症状と向き合いつつ管理職として働く経験を持つ(撮影/写真映像部・高野楓菜)
PwCあらた有限責任監査法人 高潤玉さん(右):企画管理本部マネージャー。女性の健康施策として、産業医らによる「女性のからだ・こころのヘルスケア」社内セミナーを3月中旬に開催する/PwCあらた有限責任監査法人 本橋純子さん:アシュアランス・イノベーション&テクノロジー部マネージャー。2児の母で母親の介護も継続中。更年期症状と向き合いつつ管理職として働く経験を持つ(撮影/写真映像部・高野楓菜)

「生理休暇」や「更年期休暇」などの制度を作る動きもある。ただ、都内に住む臨床心理士の女性(48)は、職場に生理休暇があっても使いづらかったと証言する。

「女性ばかりの職場ですが、生理のつらさで休むことは言い出しにくい雰囲気がまだあります。むしろ私が更年期の症状がつらい時に活用していたのは、『リフレッシュ制度』というみなし休暇の制度でした。これは、月に1回3時間は誰でも休める制度で、用途が問われない。いちいち『更年期の症状がつらいので』と申し出る必要もなく、ちょっとつらい時に、気軽に利用できるところがいいんです」

 昭和大学医学部の有馬牧子講師は、「女性の健康休暇」などとサポートの用途を広げ、利用しやすい制度を作ることを提案する。

「生理休暇、更年期休暇などが個別にあっても、自分が生理中だったり、更年期に差し掛かっていると周りに公表しにくい空気があれば、申請しにくく、使われない制度になってしまう。働く人の心理的な安全性・安心も担保する形で制度設計することが大切です。そうした社内での相談体制が整えば、組織としてのダイバーシティーが高まり、経済成長にもつながるのではないでしょうか」

(ジャーナリスト・古川雅子)

AERA 2023年3月13日号より抜粋