「生理休暇」や「更年期休暇」などの制度を作る動きもある。ただ、都内に住む臨床心理士の女性(48)は、職場に生理休暇があっても使いづらかったと証言する。
「女性ばかりの職場ですが、生理のつらさで休むことは言い出しにくい雰囲気がまだあります。むしろ私が更年期の症状がつらい時に活用していたのは、『リフレッシュ制度』というみなし休暇の制度でした。これは、月に1回3時間は誰でも休める制度で、用途が問われない。いちいち『更年期の症状がつらいので』と申し出る必要もなく、ちょっとつらい時に、気軽に利用できるところがいいんです」
昭和大学医学部の有馬牧子講師は、「女性の健康休暇」などとサポートの用途を広げ、利用しやすい制度を作ることを提案する。
「生理休暇、更年期休暇などが個別にあっても、自分が生理中だったり、更年期に差し掛かっていると周りに公表しにくい空気があれば、申請しにくく、使われない制度になってしまう。働く人の心理的な安全性・安心も担保する形で制度設計することが大切です。そうした社内での相談体制が整えば、組織としてのダイバーシティーが高まり、経済成長にもつながるのではないでしょうか」
(ジャーナリスト・古川雅子)
※AERA 2023年3月13日号より抜粋