プロの部 さがみはら写真賞 「螺旋海岸」志賀理江子(宮城県)
プロの部 さがみはら写真賞 「螺旋海岸」志賀理江子(宮城県)
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プロの部 さがみはら写真新人奨励賞 「はまゆりの頃に」田代一倫(東京都)
プロの部 さがみはら写真新人奨励賞 「はまゆりの頃に」田代一倫(東京都)
プロの部 さがみはら写真新人奨励賞 「NUDE/A ROOM/FLOWERS」野村佐紀子(東京都)
プロの部 さがみはら写真新人奨励賞 「NUDE/A ROOM/FLOWERS」野村佐紀子(東京都)
プロの部 さがみはら写真アジア賞 「AWAY FROM HOME(故郷から遠く)」Kursat Bayhan(トルコ)
プロの部 さがみはら写真アジア賞 「AWAY FROM HOME(故郷から遠く)」Kursat Bayhan(トルコ)

 第13回目を迎える「2013フォトシティさがみはら」受賞作品が発表された。プロの部のさがみはら写真賞は志賀理江子(対象作品『螺旋海岸』)、さがみはら写真新人奨励賞には田代一倫(対象作品『はまゆりの頃に』)と野村佐紀子(対象作品『NUDE/A ROOM/FLOWERS』)が選ばれた。さがみはら写真アジア賞は、トルコで活躍しているクルサット・ベイハン(対象作品『AWAY FROM HOME(故郷から遠く)』)に贈られる。

 志賀理江子は2008年から宮城県の北釜に移住し、その土地に根づいた撮影を行ない、写真で表現することの意味を考えてきた。その過程で震災に出会う。「この写真には、風景が虚体となってしまった土地の言葉にならない戦慄と私たちの震災体験の核心が潜んでいる」(プロの部審査員・伊藤俊治)と評価された。なお志賀は、写真集『Lilly』『CANARY』の2冊で、2008年度の木村伊兵衛写真賞を受賞している。

 新人奨励賞の田代一倫は、ポートレートの集積から世代、文化の在り様などを浮き上がらせようと試みてきた。対象作は被災地で2年半をかけ、1000人を超す人々を撮影したもので、継続する中で見えてくる真実を写しだした点が受賞の決め手になった。

 もう一人の新人賞、野村佐紀子は長く男性ヌードを制作し、根強いファンを持つ写真家だ。彼女のモデルを長くつとめた男性の死を、女性ヌード、子ども、何気ない室内の光景、街や花をとらえた、さまざまな作品が包み込む。20年以上に及ぶ写真から構成された、深い感興をもたらす私的な写真シリーズとして評価されている。

 さがみはら写真アジア賞はアジア地域で活躍する写真家に贈られる。クルサット・ベイハンはザマン・ディリーニュース紙のカメラマンとして、世界各地の事件や紛争の取材撮影を行なってきた。対象作は東トルコからの移民を5年越しに撮影したもので、彼らの悲哀や苦悩、孤独を克明に伝えている。

 フォトシティさがみはらは、神奈川県相模原市が写真を通じ、市民が芸術文化に触れるとともに、「さがみはら文化」を広く発信することを目的にした総合写真祭だ。優れた活動を行なうプロ写真家を顕彰し、あわせて全国公募による「さがみはらアマチュア写真グランプリ」も行なう。両部門の受賞作写真展が10月11日から28日、相模原市民ギャラリーで開かれる。
 このほか10月12日、杜のホールはしもと・多目的室でフォト・シンポジウム、翌13日には相模原市民ギャラリーでギャラリートークを実施する。プロの部の受賞作家が審査員とともに作品解説を行なう場だ。

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