わが家のアイドルは日本猫のさくら、7歳の女の子です。
さくらは子猫のときから家の中で家族同然に生活しており、4歳まで外の世界を知りませんでした。
小さいころから家族と会話しているので、言葉をかなり学習し、理解しているように感じられます。
しかし、猫には野性の本能が強く残っているせいか、庭に野良の雄猫が頻繁に来るようになると、さくらも落ち着きがなくなりました。
そこで私が考えたのが、リードをつけ、抱っこで散歩に出かけることでした。
ところが外の世界を知らないさくらですから、車が来ても散歩中の犬に行きあっても私にしがみつきます。恐怖心と好奇心が入り交じっているようでした。
何日か抱っこ散歩をしているうちに道路に下りたそうなしぐさをしたので下に下ろしたところ、抱っこで散歩したコースを平気で歩き、家までの300メートルほどを完歩しました。
これには私も驚き、家内に報告したものです。
以来、朝6時ごろに私を起こしにきて散歩に連れていくようせがみます。そして夕方もせがむようになり、体重2キロのさくらが75キロの私を引っ張り、朝夕で3キロメートル近く歩くようになりました。これは私の健康にも役立っています。
この散歩をするようになって3年がたち、近所の人たちにも人気です。今では「およげ!たいやきくん」の替え歌「歩け!さくらちゃん」を歌い、さくらと会話をしながら散歩しています。さくらは褒めたりおだてたりすると特に調子が出て、散歩が楽しくなるようです。
散歩のコースもさくらに任せ、フルコースと500メートルのハーフコースをさくら自身が選ぶようになりました(写真)。さくらと散歩する私は日本一の幸せ者です。
(茂木孝夫さん 群馬県/71歳/無職)
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