大迫もポスト役として機能し、自らも1得点を決めた。シュート数はウルグアイの9本に対して日本が14本。日本代表の選手たちはピッチ上をハツラツと走り回り、何よりゴールを目指す“ギラギラ感”があった。相手との力関係、エンターテイメント的には、現時点でこの一戦が、森保ジャパンのベストゲームだと言っていい。
そのウルグアイ戦から3年9カ月、森保ジャパンは“進化”したのだろうか。その前に、過去の代表チームはどうだったのか。「チーム発足後3試合のスタメン」と「W杯本大会初戦のスタメン」を比べて見ると、トルシエジャパンは日韓W杯初戦のベルギー戦の先発メンバー11人中で、チーム発足直後の3試合でスタメン出場したことのある選手は2人(中田英寿、森岡隆三)のみ。トルシエ監督が若手を次々と抜擢し、4年間の中でチームが変化したことの証だと言えるだろう。
同じ手法で「発足直後からのチームの変化」を探ると、続くドイツW杯でのジーコジャパンでは5人(川口能活、福西崇史、中田英寿、中村俊輔、高原直泰)、南アフリカW杯での岡田ジャパンは4人(中澤佑二、駒野友一、遠藤保仁、大久保嘉人)。そしてブラジルW杯のザックジャパンは8人(川島永嗣、長友佑都、吉田麻也、内田篤人、長谷部誠、香川真司、本田圭佑、岡崎慎司)。前回のロシアW杯は直前で監督が交代したために比較が難しいが、仮に4年前のアギーレ監督の最初の3試合と西野朗監督の下で臨んだ本大会初戦のコロンビア戦を比べた場合、両方にスタメン出場した選手は6人(川島永嗣、吉田麻也、長友佑都、酒井宏樹、柴崎岳、大迫勇也)となる。
この中で目立つのは、ザックジャパンの「8人」だ。メッシ擁するアルゼンチンに1対0で勝利してスタートしたチームは最初から高い完成度を見せ、アジア杯で優勝し、フランスやベルギーにも勝った。 だが、「自分たちのサッカー」に自信を持って挑んだブラジルW杯は、1分2敗でグループリーグ敗退。大会直前の調整の失敗がその大きな要因として指摘されているが、4年前からほぼ不動のメンバーで戦い続けたことによるチームとしての成長の鈍化も、確かな反省点として共有することになった。