年末のお笑い界の一大イベント『M-1グランプリ』で優勝した芸人は、ほぼ例外なく売れっ子になり、爆発的に仕事が増えていく。M-1チャンピオンはスターへの階段を上ることが約束されているし、世間にもそれを期待されているようなところがある。
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しかし、優勝したにもかかわらず、売れて忙しくなることを心配されている芸人がいる。それが昨年末の『M-1』で優勝した錦鯉の長谷川雅紀だ。不摂生で歯を9本も失っている長谷川は、50歳という年齢で「最年長優勝」の快挙を成し遂げた。しかし、年齢が年齢だけに、ハードスケジュールで体力が持つのかというのが心配されている。
相方の渡辺隆によると、長谷川がこの調子で元気に働いていると、今後、『M-1』で優勝した若手芸人がマネージャーから「長谷川さんもあんなに働いていたんだから」と言われて休みづらくなる可能性がある。そのため、これから『M-1』に出る芸人は、長谷川にあんまり一生懸命働いてほしくないのだという。
一昔前までの芸能界では、人気が出れば仕事が増えて、寝る間もないほど忙しくなるというのが当たり前だった。だが、最近では、世間の「働き方改革」の風潮を受けて、そういう芸能界の空気も少しずつ変わりつつある。お笑い界も例外ではない。
『M-1グランプリ』で2年連続決勝進出を果たし、テレビ出演も増えて勢いに乗っているニューヨークは、テレビなどでもしばしば「忙しすぎるのは嫌だ」「休みが欲しい」などと語っている。かつては、たとえ冗談でもこういうことを言うこと自体がはばかられるような風潮があったが、今は変わってきている。
人気のある芸人は、テレビなどのメディアの仕事と営業の仕事が続いて多忙を極めることになるものだが、吉本興業の芸人の場合、ここに常設の劇場の出番が加わるのでさらに劇的に忙しくなる。ニューヨークも吉本の芸人なので、今は相当厳しいスケジュールをこなしているはずだ。