ロッテの佐々木朗希(左上)、オリックスの山本由伸(右上)、ソフトバンクの東浜巨(左下)、西武の高橋光成
ロッテの佐々木朗希(左上)、オリックスの山本由伸(右上)、ソフトバンクの東浜巨(左下)、西武の高橋光成

 2011年と12年は「低反発の統一球」が使われ、極端に「投高打低」になったプロ野球。今季も、40年ぶりの「規定打席数に達したうえでの1割台打者誕生」の可能性が報じられるなど、「投高打低」のシーズンになっている。

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 今年は佐々木朗希(ロッテ)の完全試合を含め、東浜巨(ソフトバンク)、今永昇太(DeNA)、山本由伸(オリックス)とノーヒットノーランが4試合達成された。うち3人がパ・リーグの投手で、両リーグを比較すると、「投高打低」の傾向はパ・リーグで顕著のようだ。今季のパ・リーグの好投手、過去の防御率と打率から分析してみよう。

 ロッテの佐々木は、完全試合を達成した試合で19奪三振の日本タイ記録を出した。石川歩は14年の新人王で、16年には最優秀防御率のタイトルを獲得した。小島和哉はプロ3年目の21年に10勝を挙げた。

 オリックスの山本は、東京五輪金メダル獲得の原動力となった侍ジャパンのエース。剛球と148キロのフォークで21年に史上8人目の投手5冠に輝いた。オリックスはそのほかにも好投手が多い。山岡泰輔は19年に最高勝率をマーク。宮城大弥は緩急を駆使して21年の新人王を受賞した。

 21年に楽天に復帰した田中将大は、21年終了時点で日米通算181勝を挙げている。岸孝之は14年にノーヒットノーランを達成。14年に最高勝率、18年に最優秀防御率のタイトルを獲得している。ほかにも最多勝を4度受賞している涌井秀章。則本昂大は、13年に新人王を受賞し、14年から5年連続で最多奪三振のタイトルを獲得している。20年のドラフト1位、早川隆久は21年に9勝を挙げている。

 ソフトバンクの千賀滉大は19年にノーヒットノーランを達成。20年に最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の3冠に輝いた。東浜は17年に最多勝となる16勝を挙げ、石川柊太は20年に最多勝と最高勝率のタイトルを獲得。和田毅は03年に新人王、10年に最多勝、16年に最多勝と最高勝率をマークした。育成出身の大関友久は、今季完封勝利を2度達成した売り出し中の若手投手だ。

 日本ハムの上沢直之は21年に12勝を挙げ、24試合中21試合で「先発6イニングを自責点3以内に抑える」クオリティースタートを達成した(87.5%はリーグ2位)。伊藤大海も負けていない。21年に10勝を挙げ、23試合中17試合でクオリティースタートを達成している(73.9%はリーグ3位)。加藤貴之は抜群の制球力を誇る。21年に「9イニング平均与四球」が1.26個で両リーグ1位だった。

 西武は高橋光成が21年にチームトップの11勝を挙げた。松本航はプロ3年目の同年に初の10勝を挙げ、今年6月21日のロッテ戦で八回2死までノーヒット劇を演じた。西武は今年7月4日現在、チーム38勝中、実に15勝が完封勝ちだ。

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