また18歳上を対象とし、ファイザー製またはモデルナ製の新型コロナウイルスワクチンの3回接種とオミクロン株およびデルタ株によるコロナ感染との関連を推定したアメリカの調査結果からも、追加接種がオミクロン株とデルタ株の両方の変異体に対する感染予防に関連があったことが示唆されています。

 日本では、5月下旬より4回目の接種(2回目の追加接種)も始められています。厚生労働省によると3回目接種から5か月以上が経過した(1)60歳以上の方、(2)18歳以上60歳未満で、基礎疾患を有する方や重症化リスクが高いと医師が認める方、が対象です。どうして、感染リスクが高いからと1回目の接種は医療従事者から開始されたのにも関わらず4回目の接種が受けられないのでしょう。

 新型コロナウイルスワクチンを有効期限までに使い切れない自治体が続出し、品川区では約6万回分、大阪市では約8万5000回分、広島市では約7万回分が廃棄に回ったという報道がありました。廃棄されたという報道を耳にするたびに、「廃棄するくらいなら、医療従事者や感染リスクの高い人、希望する人が接種できるようにしていいのではないか」と思います。

 まさに今、クリニックでもコロナが急に増えてきていると肌で感じるほど、陽性が多くなってきています。3回目の接種から5ヶ月が過ぎようとしており、「自分もとうとうコロナに感染してしまうのではないか、そうしたら職場に迷惑をかけてしまう」と思いながら診療にあたっています。廃棄するくらいなら、種類の希望はしないから4回目の接種をさせてほしいと切に願っています。

 山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。医学博士。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。2022年東京大学大学院医学系研究科修了。ナビタスクリニック(立川)内科医、よしのぶクリニック(鹿児島)非常勤医師、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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山本佳奈

山本佳奈

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。医学博士。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。2022年東京大学大学院医学系研究科修了。ナビタスクリニック(立川)内科医、よしのぶクリニック(鹿児島)非常勤医師、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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