写真はイメージ
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 日常的に私たちが感染し、風邪を引き起こす4種類のコロナウイルスは、風邪の10~15%を占めると言われており、冬に流行のピークを認めています。ほとんどの子どもが感染を経験し、これらのウイルスに私たちは生涯に渡って何度も感染しますが、軽い症状しか引き起こさないため、基本的に問題になることはないとされています。2019年に中国武漢市で発見され、瞬く間に全世界に感染拡大した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、新たに追加されたコロナウイルスの一つなのです。

 2021年の日本における新型コロナウイルス感染症の感染者数の推移は、1月中旬にピークの小さな山があり、5月中旬にピークの小さな山があり、8月末をピークとした中程度の山がありました。2022年に入り、2月初旬がピークの大きな山を認めたことは、記憶に新しいと思います。今年の7月に入ってからの感染者数の増加傾向も、昨年の8月末にピークを迎えた流行と同じ経過を辿る可能性があると私は考えています。

 つまり、これまでの流行の推移や風邪を引き起こすウイルスであるコロナウイルスの季節性変化をもつという特性から、私は「新型コロナウイルスも季節性の変化を認めているのではないか」と推測しているのです。

 7月7日、政府は「現時点で、従点措置の適用などの行動制限を行うことは考えていない」と明らかにしました。新型コロナウイルス感染症によるパンデミックも3年目に突入し、ワクチンも開発され、日本はもちろん世界で接種が進み、治療薬も開発された今、再び行動制限を行う必要は、私もないと思います。それよりも、希望者がワクチンを追加接種できるようにすべきではないかと考えています。時間の経過に伴いワクチンの予防効果が低下するというこれまでの報告に加えて、追加接種の感染予防効果についても報告されているからです。

 たとえば、2021年7月30日から8月31日までに2回の新型コロナウイルスワクチンを完了した60歳以上の接種者約114万人を対象とし、コロナの感染率と重症化を調べたイスラエルの報告は、3回目の追加接種から少なくとも12日後に確認された感染率は、追加接種群の方が非追加接種群より11.3分の1低く、重症化率は19.5分の1低かったことを報告しています。

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有効期限までに使い切れなかったワクチンの廃棄の報道も