一方で、粘膜下筋腫では、月経に関する症状が起こりやすいことに加え、不妊のリスクが高まる可能性もある。筋腫があるからといって必ず不妊になることはないが、例えば、子宮内膜の直下に大きな筋腫があったり、複数の筋腫があったりして子宮の内側の形が変化するために受精卵が着床しにくい(妊娠しにくい)ことや、流産しやすいことにつながる可能性が考えられる。
子宮筋腫は、問診と内診、超音波検査などをした上で診断する。問診では月経の症状、病歴や家族歴、妊娠・出産の希望などを確認する。内診では子宮の状態や大きさなどを診て、超音波検査で筋腫の有無と、筋腫がある場合には場所や大きさ、数などを調べる。
診断の際には、ほかの病気と区別することも重要だ。子宮筋腫は良性の腫瘍だが、下腹部にできる腫瘍には、子宮肉腫とよばれる悪性腫瘍や卵巣がんなどの病気もあるからだ。
「閉経後にも腫瘍が大きくなる場合や、筋腫を小さくするための治療をしても効果が得られない場合などは悪性腫瘍が疑われるため、MRIや血液検査など、より精密な検査をすることが重要です」(同)
(文・出村真理子)
※週刊朝日2022年7月15日号より