子宮筋腫手術の術式
子宮筋腫手術の術式

 術式の選択は、筋腫の大きさや位置、数のほか、医師の方針や医療機関の態勢などにもよるが、それぞれのメリット、デメリットをよく理解した上で考えたい。

「腹腔鏡下手術には傷が小さい、術後の回復が早いなどのメリットもありますが、全ての人に最善とは限りません。あるデータでは、術後1週間の回復度は腹腔鏡が高いものの、1カ月後、3カ月後になれば開腹も変わらないとされています」(木村医師)

 術式についてはほかに、腟から子宮鏡を挿入して筋腫を切除する「子宮鏡下手術(TCR)」、小さく開腹し、腹腔鏡も併用する「腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術(LAM)」、腟の奥を切開して子宮を摘出する「腟式子宮全摘術(TVH)」などの方法もあり、それぞれで適応条件が異なる。

 その他の治療法として、足の付け根の動脈からカテーテルを入れ、子宮動脈の血流を止めることで筋腫を縮小させる「子宮動脈塞栓術(UAE)」という方法もある。筋腫の縮小と症状の改善が期待でき、手術を希望しない人や持病などにより手術ができない人にすすめられるが、この治療により不妊や流産のリスクが高まる可能性があるため、妊娠を希望する人は一般的に対象外となる。

「子宮筋腫は、病名は一つでも非常に多様な病気で治療法もさまざまです。症状や筋腫の大きさ、場所、筋層への食い込みかたなどにより治療法も異なるため、医師とよく相談することが大切でしょう」(同)

(文・出村真理子)

※週刊朝日2022年7月22日号より

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