このことに気づいていたダーウィンは、『種の起源』の中で、進化を表す言葉として「世代を超えて変化が伝わっていくこと(descent with modification)」という表現を用いています。しかし皮肉にも、世間に浸透した「進化」は、スペンサーが広めた「evolution」。「進化は、進歩」という考え方でした。
そして、ヒトである私たちの種の学名を「ホモ・サピエンス」と言いますが、属名の「ホモ」は「ヒト」、種小名の「サピエンス」は「賢い」という意味です。つまり「ホモ・サピエンス」は「賢い人」。「万物の霊長」は「万物のなかで最もすぐれたもの」の意味で、「人間」を指して使われます。
やっぱり人間ってちょっとエラそう……?
(構成/ライター 澤田憲、生活・文化編集部 野村美絵)