――夏休みが始まり、お盆休みも迫っている。感染者数はどんどん増えているが、個人でできることは。

しばらく会っていない孫たちと夏休みぐらいは会いたいとか、集まって少し宴会をしようとか思っているお年寄りは、その前にぜひ4回目のワクチン接種をしてください。子どもたちや若い人たちもずっと楽しいことができないままになっている。子どもの健康に関して言えば、他にもいろいろな病気があり、熱中症や水の事故のほうがよっぽど怖い。新型コロナだけを近視眼的に見ても、かえって子どもたちの心と体の健康を損なう結果になってしまうだろう。例えば、小学1年生の夏休みは今しかない。ハイリスクの人の備えがきちんとできていれば、そういう貴重なことをすべて犠牲にしないといけないような段階には、本来はきていないはずだ。

――政府は4回目接種の対象範囲を医療従事者や高齢者施設の職員にも広げると決めた。年齢や職域の制限なく4回目接種を広げるべきだと考えるか。

今のところ必要はない。ワクチンによる感染予防効果は限定的なので、流行を食い止めるために接種範囲を広げることの優先順位は高くない。若い人には副反応が強いので、ワクチンを打つことに反発があって当然だ。ただ、若い人でも一定の確率で起こる重症化を防げるし、若い人でも数多く起こっている「ブレインフォグ」のような後遺症も減らすことができると証明されている。「感染拡大を止めるため」ではなく、あくまでも「自分のためにワクチンが必要だ」というメッセージを伝えるほうがいいだろう。

(構成/AERA dot.編集部・金城珠代)

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