今シーズンのヤクルトは開幕直前に中村が下半身のコンディション不良で離脱し、前述のとおりサンタナ、奥川を欠きながらも、代役の奮闘もあって5月下旬から首位を独走してきた。だが、レギュラーの大半を失ってはそう簡単に穴埋めできるものではない。7月8日から18日にかけ、4試合の中止を挟んで今季ワーストの6連敗を喫し、7月2日に“史上最速”で点灯していたマジックナンバーも消滅してしまった。

 それでもサンタナが戦列に戻り、7月18日には長岡秀樹、内山壮真らがコロナ陽性から復帰すると、19日の巨人戦(神宮)に勝って松元ユウイチ監督代行にとっては6試合目で初勝利。翌20日の同カードでは高津監督の復帰を白星で飾り、山田、塩見、中村が久しぶりにスタメンに名を連ねた24日の広島戦(神宮)に勝ってマジック「41」を再点灯させ、オールスターブレイクを迎えることとなった。

「第7波」の影響を受けたのは、ヤクルトだけでない。7月に入って選手、関係者が陽性判定を受ける球団が相次ぎ、巨人は7月19日からの5日間で原辰徳監督のほか、選手47人を含む76人もの陽性者を出したことで、22日からの対中日3連戦(バンテリンドーム)中止を余儀なくされた。26、27日に開催されたオールスターゲームでも、コロナ陽性以外も含め12人の選手が出場を辞退するなど、今や球界全体に広がっている。

 それもオミクロン株の亜種BA.5の感染力の強さゆえといえそうだが、ここへ来てその亜種でさらに感染力が強いといわれる「ケンタウロス」も国内で確認されており、いつ誰が感染してもおかしくない状況になってきている。現時点でセ・リーグの貯金を独占しているヤクルトが圧倒的に有利なのは間違いないが、もしも再び大量感染ということにでもなればまた戦力ダウンは免れない。

「(選手が)みんな自信を持ってグラウンドに立ってくれた結果が、ここまで貯金22という数字に表れてると思います。もちろん、これからもっともっと大変な8月、9月になっていくわけで、気を緩めることなくしっかりとグラウンドに立ってほしいなと思いますね」

暮らしとモノ班 for promotion
大谷翔平選手の好感度の高さに企業もメロメロ!どんな企業と契約している?
次のページ
今後はコロナとの戦いも重要なファクターに