ちなみにこの4頭は、3歳時の有馬記念で再会を果たしている。結果はブエナビスタが2着、リーチザクラウンが13着、アンライバルドが15着、スリーロールスは故障で競走中止。スリーロールスがこのレースで引退したこともあり、4頭が一堂に会したのはこれが最後となった。
同じレースでデビューした馬たちがのちに何度も鎬を削るライバルになるというのも競馬の浪漫。2009年10月25日の京都芝1800m戦で初めて顔を合わせたローズキングダムとヴィクトワールピサは、通算6戦も同じレースを走ることになる。
ちなみにこの日は前述のスリーロースが制した菊花賞当日。つまり2年連続で同じレースが「伝説の新馬戦」となった。これはクラシックを見据える馬は距離を考慮して1800m以上、しかも中央四場(東京・中山・京都・阪神)から使い出したいという各陣営に共通の思惑があったためだろう。
話を戻すと、デビュー戦でのローズキングダムは直線で早めに先頭に立ち、そこへヴィクトワールピサが猛追。最後はローズキングダムが3/4馬身差で勝利したが、3着馬はヴィクトワールピサからさらに5馬身差と、2頭がまさに格の違いを見せつける結果だった。
翌年の皐月賞では、ひと足先に朝日杯フューチュリティステークスを勝ってG1馬となっていたローズキングダムを4着に沈めてヴィクトワールピサが戴冠。ダービーは痛み分け(ローズキングダム2着、ヴィクトワールピサ3着)で、ジャパンカップでは2位入線のローズキングダムがブエナビスタの降着で繰り上がり優勝となり、ヴィクトワールピサはハナ差の3着だった。
ヴィクトワールピサは翌年3月にドバイワールドカップで歴史的勝利。その暮れのジャパンカップと有馬記念でローズキングダムと再戦したが、ここでは2頭とも完敗に終わった。ちなみに両馬の直接対決の結果は3勝3敗の五分。ただしG1勝利数はローズキングダムが2勝、ヴィクトワールピサは3勝だった。