2007年7月8日の阪神芝1800mも、のちのG1馬3頭が出走していた。勝ったのは好位でうまく立ち回った3番人気アーネストリーで、出遅れた2番人気の牝馬トールポピーが2着。1番人気に推されていた良血馬キャプテントゥーレは直線で伸びず8着に沈んだ。
最初にG1馬となったのはトールポピーだった。年末の阪神JFを勝って2歳女王となり、翌年にはオークスも制した。デビュー戦で期待を裏切ったキャプテントゥーレも、翌年の皐月賞を制してクラシックホースに。アーネストリーは故障もあって出世が遅れたが、6歳で宝塚記念を勝ってみせた。
このほかにも将来のG1ホースが激突した新馬戦は数多く、古くは1976年1月31日の東京芝1400mで後にTTGとして並び称されるトウショウボーイとグリーングラスが激突した(前者が1着、後者は4着)。余談だが、このレースで5着だった牝馬シービークインとトウショウボーイの息子が後の三冠馬ミスターシービーだ。
1996年11月30日には、なんとダート1200m戦から翌年のクラシックホースが2頭も出た。逃げて大差勝ちしたキョウエイマーチは桜花賞馬となり、3着だったマチカネフクキタルは菊花賞を制した。
近年では2018年6月3日の東京芝1600m戦でグランアレグリアがダノンファンタジーに2馬身差で快勝。前者は桜花賞、安田記念、スプリンターズステークスなどG1を6勝する名牝へと成長し、後者もG1阪神ジュベナイルフィリーズなど重賞を6勝した。
最後に番外編として、新馬戦での圧巻のパフォーマンスで競馬ファンの記憶に刻まれた馬を紹介しよう。その馬の名はピジョンブラッド。昨年の12月11日のデビューなので覚えている方も多いだろう。
ダート1400m戦で10頭立ての8番人気と伏兵扱いだったピジョンブラッドは出遅れて行き脚がつかず、前の9頭から大きく離れた最後方に。残り800mでもまだポツンと離れた位置だったが、最終コーナーを大外から回るところでようやくエンジン点火。直線では豪快な末脚で全馬をごぼう抜きしてしまった。