見よう見真似でも、「1ミリでも近づきたい」とまずは漕ぎ出してみる。「学ぶ」は「真似ぶ」ともいわれますしね。
もちろん、「自分には合っていないな」と思ったら最初の憧れにこだわらず、どんどん修正していきましょう。むしろ「なるほど、これは自分には合わなかったんだな」と発見できたことを収穫とします。
「留まっているうちは何も見つかりません。「やってみた→できなかった→次はこうやってみよう」のサイクルを回していくと、「あ、これは違うな」「意地になっていたかも」と自分に合わない価値観もはがれ落ちていきます。
年齢を重ねるごとに、似合うもの、好みも変わってきます。話し方だって、若いときと同じ言葉遣いはしていません。ひとつの型にしがみつかず、変わりゆく「自分らしさ」も受け入れながら、「今の自分がありたい姿、今後なりたい姿」を定期的に見直してみませんか。
長くこの仕事をしていても、いまだに「あ、間違えた」なんことは日々あります。先日も、「柔らかく」と思って使った言葉が丁寧すぎてしまい、かえって冷たい感じに聞こえてしまうという失敗がありました。でも、そのたびに「これも自分のアップデートのためのチェック作業だったのね」として受け入れる。
「またひとつ、これはNGだというデータが自分の中に入ったわ。勉強になった、よかったね!」とメモして、必要以上に自分を責めない。大丈夫、次に生かせばそれでいいんです。
ちなみに、冒頭でご紹介したトークイベントの続きで、このようなぶっちゃけ話をしたら、糸井さんも「FMと和解できた気がする!」と、二人で自然に握手をして、最後は落語のオチのような展開に。気になる方は「ほぼ日 秀島」で検索してみてくださいね。
【ここまで聴いてくれたあなたへ】
理想の「型」に固執しない。
意地にならないことで、自分らしさが見つかる。
(構成/小川由希子)