2022年も早や5カ月を切ったが、毎年この時期から音楽業界で注目を集めはじめるのが「NHK紅白歌合戦」だ。大晦日に放送されるだけに時期尚早の観もあるが、大手レコード会社のスタッフは、こう明かす。
「近年は今くらいの時期に“夏の紅白”とも呼ばれ、『紅白』の出場歌手や司会の選考とも関連性があるNHKの大型音楽番組『ライブ・エール』が放送されています。今年は8月6日に放送され、宇多田ヒカルさんが約4年ぶりに同局の音楽番組に出演したり、『純烈』が上島竜兵さんの死去で2人態勢となった『ダチョウ倶楽部』とのユニット『純烈&ダチョウ』として登場して話題になりました」
この2組やお笑いコンビ「ウッチャンナンチャン」の内村光良とともに司会を務めた同局の桑子真帆アナウンサーに関しては、早くも「紅白」出場が有力視されているという。
昨年の「紅白」は視聴率で歴代最低を更新する大惨敗を喫し、一部では打ち切り説まで取り沙汰されるなど今年の巻き返しは必至となっている。
「一昨年はコロナ禍による感染対策により初の無観客開催となり、演出面もかなり制限されましたが、2年ぶりに世帯平均視聴率40%を超える健闘を見せました。そうした中、昨年は2年前と同じくコロナ禍による“巣ごもり需要”が期待できることや強力裏番組である日本テレビの『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけない』シリーズの放送休止といった追い風もあり、一昨年以上の視聴率が狙えると期待されていたんです」(前出のレコード会社スタッフ)
ところが、ふたを開けて見れば午後9時からの第2部の平均世帯視聴率は34.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と前年から6.0ポイントも落とし、歴代最低記録を更新してしまったのだ。
さらに、今年の5月にはNHKの職員有志による「前田会長よ、NHKを壊すな」と題したレポートが「文藝春秋」に掲載され、その中にはNHKの前田晃伸会長が「紅白」を打ち切りにする方向で進めているといった内容もあった。当の前田会長本人は同月の定例会見で「紅白」に関する報道を否定したが、「先の参院選でもNHK党が存在感を放つなど、受信料の件もあってNHKや『紅白』に対する視聴者の風当たりは年々厳しさを増している印象です」(同レコード会社スタッフ)
こうした事情もあり、今年の「紅白」は例年以上に“数字”が求められることになりそうだが、現状はお世辞にも芳しい状況ではないようだ。