音楽ライターはこう話す。

「今年も世代を超えて愛されるようないわゆる国民的ヒット曲はまだ出ていませんし、そもそも目立った新曲すらパッと浮かばない。本来であれば、先日に“最後のテレビ出演”が話題を呼んだ吉田拓郎さんや一部女性誌で引退準備が報じられた井上陽水さんといった大物歌手を投入したいところでしょうが、現実は厳しそうです」

 そうした中、NHKサイドが今年の「紅白」の目玉として密かにサプライズ出演を期待しているのが歌手の中森明菜だという。

 今年デビュー40周年を迎えた中森明菜といえば、7月9日に同局で放送された「中森明菜 スペシャル・ライブ1989 リマスター版」が再放送されて大きな注目を集めたばかり。

「今回放送されたのは明菜さんがデビュー8周年を記念して、デビュー曲『スローモーション』から1989年リリースの『LIAR』までのシングル24曲を歌唱した89年4月のライブの模様を高画質の映像にリマスターしたものです。明菜さんにとってもシングル曲だけを歌った珍しいライブでファンの間では“伝説のコンサート”として今も語り継がれています」(前出の音楽ライター)

 今年4月にNHKのBSプレミアム・BS4Kで1度放送されたが、わずか3カ月を経てNHK総合での再放送となった。

「4月の放送後の反響の大きさを受けて今回の再放送が決まったそうで、改めて明菜人気の高さを見せつけられた格好です。そこで浮上しているのが『紅白』への担ぎ出しです。そもそも、明菜さんは14年の『紅白』に米ニューヨークのスタジオからの生中継という形でサプライズ出演しましたが、約4年5カ月ぶりの復活ということもあって当時は大きな反響を呼びました。ここ5年ほど公の場の立っていない明菜さんが再び『紅白』のステージに立つとなれば大きな反響を呼ぶのは間違いないでしょう」(同音楽ライター)

 実際、同局の局員からはこんな話も聞こえてくる。

「4月の時もそうでしたが、7月の再放送に関しても放送後にはNHKふれあいセンターなどを通じて視聴者の皆さんから珍しくお褒めの言葉を多数頂いたようで、局内でも話題になっていました。ここ5年ほど目立った活動はしておらず体調の問題もあるんでしょうけど、出来ることならまた『紅白』に出演してほしいですし、番組担当が水面下で出演交渉に入ったといった噂も流れています」

 中森明菜への出演交渉について、NHK広報局に事実関係の確認を求めたが、「個別の番組の制作過程についてはお答えしておりません」との回答が返ってきた。

 伝説の歌姫が窮地の「紅白」の救世主となるか!?(立花茂)

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立花茂

立花茂

東京都出身。大学を卒業後、スポーツ紙の芸能記者として活躍。その後、週刊誌や月刊誌、ニュースサイトなどでも記事を執筆。得意ジャンルは芸能だが、取材対象はアニメ、競馬、プロレスなど多岐に及ぶ。最近はweb3.0にも興味あり。

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