08年10月に開かれた議会の委員会で質問に立った田中ひろき市議は、
「教育委員会の阪南パラドームの土地が建物つきで一般競争入札に付されて、Y社という会社が落札して売却先となった。この会社が現在、建物を統一教会に貸していることが判明し、近隣の住民の方が大変不安に感じ、大阪市が統一教会を退去させるよう指導してほしい、ということがその陳情書には書かれてあったわけです」
などと指摘した。
さらに、「所有権がY社に移ってから1カ月後に、Y社は事業目的に、不動産の売買、賃貸、仲介及び管理と貸し会場の経営を追加していた」として、「これは初めから出来レースというか、ぐるだったのではないかと。地域住民が不安に思うのも仕方がないと感じるわけです。高値であれば少々チェックが甘くても売却すればいいという状況に今なってるとは思うんですけれども、市長自身、どう思われますか」などと述べ、Y社への売却について追及した。
加納弁護士ら弁護士連絡会も、「かねて自治体に、旧統一教会やそのダミー会社との関係を断つように申し入れをしていた」などとして、民間会社との売買契約を解除するよう大阪市に申し入れた。
その点について、改めて市に聞くと、
「一般競争入札の参加資格などは教育委員会とは別の部署でチェックします。そこで問題がないとの判断だったのでY社が落札となりました。Y社の役員欄を確認すれば、旧統一教会との関連性がわかった、とのご指摘ですが、当時はそういうルールは大阪市になかったようです」
と繰り返した。大阪市の話では、手続き上、問題はないのかもしれない。
しかし、田中市議は、
「Y社は、落札するとすぐに、不動産賃貸業などを登記に加えた。最初から、旧統一教会の施設にする目的で落札したのは明らか。大阪市は市有財産を売却するなら、もっと厳しくチェックすべきではなかったのか。周辺では、今も不安に感じている住民がいる。そこに、安倍元首相の事件です。より不安になりますよ」
と話し、現在も反社会的な活動の拠点になってはいないか、との不安が拭えないという。