絶叫ツッコミでバラエティー界を席巻し続ける、おいでやす小田(44)。ピン芸として長い下積みを経て、「R-1ぐらんぷり」では5年連続決勝に進出するも、優勝を果たせぬまま、2020年に出場資格を失ってしまう。しかし、同じくピン芸人である「こがけん」とユニット「おいでやすこが」を結成し「M-1グランプリ」に出場。2回目の挑戦となった2020年に準優勝という大きな爪痕を残し、大ブレークを果たした。
お茶の間ではすっかりおなじみとなりつつある一方、最近では俳優としても頭角を現しつつある。3月までは朝ドラ「カムカムエヴリバディ」(NHK)でヒロインの暮らす商店街のおっちゃん役を好演。7月からは、「彼女、お借りします」(テレビ朝日系)、「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」(TBS系)と2本の連続ドラマに出演しているのだ。売れっ子俳優でも同時期に2本の連ドラに出演するのはまれだが、このまま俳優としてもブレークするのか。民放でキャスティングを担当するプロデューサーは言う。
「『カムカム』での好演がきっかけで、オファーが殺到しているようです。近年、アンジャッシュの児嶋一哉さんや東京03の角田晃広さんなど、演技力の高い人気芸人がドラマの世界でも頻繁にキャスティングされるようになりましたが、おいでやす小田さんはすでにその仲間入りを果たす勢いですね。現在、2本の連ドラだけでなくParaviで配信されている『石子と羽男』のスピンオフドラマ『塩介と甘実―蕎麦ができるまで探偵―』でなんと主演を務めています。本来、同じクールで脇役がかぶるのは制作サイドが避けたがるのですが、それでも彼をキャスティングしたかったということは、すでに相当な評価を得ている証拠と言えます」
一方、映画関係者も小田についてこう期待する。
「ピン芸人としてひとりコントを長くやっていたので、演技力は申し分ないですし、意外と抑えた芝居もうまい。ビジュアルも、平均的な中肉中背でありながら、どことなく目を引くインパクトがある。商店街のおっちゃんや疲れたサラリーマンの役は無理なくハマりますし、殺し屋役とか不倫中年とか意外性のある役も見てみたい。今後は映画界からもオファーが多くなるはずです」