また小窓がパカッと閉まる音がしました。

「あれっ、神父さん? どうされました? 神父さん、開けて」

 おとんが声をかけると、小窓がパカッと開く音がしました。

「は、話の続きをどうぞ」
「ほんでね、あのー、息子を殴ってしまってね……」

 パカッと小窓が閉まります。

「神父さん、聞いてます? 神父さん、開けて。あ、け、て!」

 やがておとんが、僕らのところに戻ってきました。

「神父さん、開けてくれへんねん」

 心配になった僕たちは、神父さんが入っている箱のドアを開けました。すると神父さんは箱の隅に寄りかかって、息ができないぐらい痙攣しているのでした。

 おとんが叫びました。

「フミアキ、救急車や、救急車呼べ!」

 神父さんが、苦しそうに言いました。

「もう、ゆ、許してください」

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