残り40試合ほどとなったMLBでは、MVP争いの議論が白熱している。ア・リーグのMVP争いは大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)とアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)の一騎打ちになりそうだ。両選手ともに歴史的な活躍で、現地を大いに盛り上げている。
ジャッジは8月22日現在(現地時間:以下同)、47本塁打103打点(いずれもMLBトップ)をマークし、ヤンキースを牽引。その好調っぷりに、辛口評で知られる地元紙『ニューヨーク・ポスト』は「アーロン・ジャッジのヤンキースでの歴史的なシーズンは、今や史上最高のものになった」(16日)と大絶賛。圧巻のパフォーマンスで、前半戦では「ジャッッジのMVPは確実」と色めきだった。
一方、大谷もここにきて猛烈に追い上げている。大谷はここまで投打で、10勝&27本塁打(ア・リーグ5位)をマーク。前半戦は投手としての評価の方が高かったが、8月に打者の評価を一気に上げた。特に8月9日にベーブ・ルース以来104年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」を達成してからは、打撃が絶好調だ。例えば、大谷は17日までの直近5試合で19打席10安打2本塁打、10打点をマーク。16日と17日には、日米初の2試合連続の三塁打を打つなど、バットから快音が止まらず、この間の打率は驚異の5割越えだ。スポーツメディア『ウルフ・スポーツ』は「SNSで流れていたジョークが、ここ数日で現実となった」(19日)と、2年連続でのア・リーグMVP受賞に期待を寄せた。
ところが、ジャッジ擁するヤンキースを扱うメディアは、今の「大谷vsジャッジ」論争にご立腹の様だ。ヤンキースの専門メディア『ピンストライプ・アレー』は8月15日、ジャッジのWAR(勝利寄与度)を挙げながら、「これから変わる可能性はあるが、今季のMVP争いについて、”接戦である”や、”ヤンキースだから不当に有利な状況にある”、と論じるのはやめてくれないか?」とSNSに投稿して、盛り上がる周囲に対する不満をあらわにした。