「保守的な土地柄の北海道では、中田翔の暴力事件が想像以上のダメージを球団に及ぼした。近年はチームが勝てないこともあり道民の興味が薄れ始めている。道内の旭川、釧路、帯広における主催試合でも満員には至らない。『きつねダンス』は救世主となり、日本ハムへの関心度を再び高めてくれたと言える。そして野球ファン以外にも広まったのは大きい」(北海道内テレビ局関係者)

「The Fox」=きつね、という北海道との共通点もあったものの、ここまで大きく広まるとは予想外だった。サッカーJリーグの柏レイソルやセレッソ大阪、女子プロゴルファーなど、競技の枠を超え人気が広まった。またワイドショーでも大きく特集され、『きつねダンス』ブームが巻き起こった。

「日本ハム球団の動きも早かった。当初は野球ファンをターゲットに想定していたが、想像以上に話題となり積極的に攻めた。『きつねダンス』は曲とダンスの両方がウリなので、親和性の高いラジオ局などでも積極的に情報発信を始めた。スポーツ以外のマスコミでも話題になったことも勝因だった。鳴り物応援でなく、今までの野球場のイメージを変えるのにも役立っている」(日本ハム担当記者)

「コロナ禍で声出し応援ができず、録音音源を流し手拍子するスタイルになった。本来は鳴り物応援に参加し、応援歌を歌って楽しむ人が多かったが、それができなくなり客足に大きく影響した。声を出さなくてもダンスで参加できる『きつねダンス』は、この時勢に適した観戦スタイル。球場中が本当に盛り上がっているので、見ていて羨ましい」(パ・リーグ球団関係者)

 そして、『きつねダンス』に習ってなのか、ヤクルトはいち早く『ツバメダンス』を発表。人気アーティストYOASOBIの曲「ツバメ」に合わせたダンスは神宮球場の名物になりつつある。

「従来は各球団が独自性のある応援歌や歌詞を準備、外野席を中心とした応援参加型ファンに支えられていた。しかし声出し応援ができず観客動員に困る中、ダンスは希望の光となった。他球団でも同様のものを模索しているはず」(大手広告代理店関係者)

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