今年のプロ野球で大きなトピックの一つとなった日本ハムの『きつねダンス』。コロナ禍で声出し応援ができない中、鳴り物応援に取って代わる球場での新しい楽しみ方として定着した。またプロ野球という枠を超えて話題となり、今年の流行語大賞の有力候補という声も聞こえるほどだ。
「(ダンスの時に使用される曲は)日本ハムや野球とは何の関係もないダンステイスト。2013年発表の懐メロ的洋楽ですがキャッチーで耳に残る。ファイターズガールが覚えやすい可愛い振り付けで踊っているのもウケた。TikTok上で短時間のダンスを披露するのが流行っているが、同じ感覚で広まった。球場はもちろんスマホがあれば誰でも楽しめる、野球発祥の新しいエンタメと言える」(大手広告代理店関係者)
9月19日に行われるロッテ戦(札幌ドーム)の試合前には、『きつねダンス』の際に使用される「The Fox (What Does The Fox Say?)」を歌うノルウェーのコメディデュオ・Ylvis(イルヴィス)によるパフォーマンスも決定。イベント発表後は、チケットが飛ぶように売れ始めているという。また限定グッズの発売も予定されており、早くも全国から問い合わせが殺到。シーズン終盤を迎え、日本ハムは再びきつね特需の恩恵を受けそうだ。
「(イルヴィスのイベントは)シーズン終了ギリギリのタイミングに間に合って良かった。日本ハムは来季から新球場のエスコンフィールド北海道に移転しますが、札幌ドームは北海道での歴史を作り上げた大切な場所。一世を風靡している『きつねダンス』のイベントが記憶に残るものとなり、素晴らしいフェアウェルになるはず」(日本ハム担当記者)
今季の日本ハムは“BIGBOSS”こと新庄剛志監督の就任もあり、開幕前は大きな話題となった。しかしペナントレースに入ると負けがこみ、早々と最下位が定位置に。昨年来の不祥事等で球団イメージが大きく下がっていたこともあり観客動員は思ったように伸びず、札幌ドーム最終年という歴史的シーズンにも関わらず、観客動員に苦戦している。そんな中で登場した『きつねダンス』はまさに救世主のような存在だ。