【タイプ1】老化症状が気になる「腎(じん)の虚弱」タイプ

 五臓の「腎」は生命エネルギーの源「精」を蓄え、人の発育や生殖と密接に関係する臓器。また、水分代謝と関わり、尿の生成・排泄をコントロールする働きも担っています。そのため、腎が衰えると生殖器である前立腺の問題や排尿トラブルが起こりやすくなるのです。

 腎は加齢とともに自然と衰える臓器で、老化症状とも深く関わっています。前立腺肥大症はもちろん、加齢によるさまざまな不調の予防、改善にもつながるので、中年以降の年齢の人は積極的に腎をケアしましょう。

<気になる症状>
前立腺肥大、頻尿、尿もれ、尿が出にくい、尿が途切れる、尿がまったく出ない、腰痛、足腰がだるい、冷え、めまい、耳鳴り、物忘れ、むくみ、舌の色が淡い、舌苔が白い

<食の養生>
身体を温め、腎を強くする食材を積極的にとりましょう。
山芋、くるみ、松の実、栗、ごま、枸杞の実、銀杏、羊肉、すっぽん、山椒の実、八角、しょうが、ねぎ、にら、にんにく、シナモンなど

【タイプ2】血流が滞る「お血(おけつ)」タイプ

 食生活の乱れ、運動不足、冷えなどの要因で「お血(血行不良)」が発生すると、前立腺にもドロドロ血が停滞し、肥大を招く要因に。症状は“痛み”が特徴で、排尿痛のほか、頭痛、胸痛、関節痛などの不調が現れやすくなります。

 このタイプは慢性疾患、高脂血症、高血圧症などの人にも多く見られるため、気になる症状がある人は日頃の養生を心がけて。食生活の改善、適度な運動などを意識して、サラサラ血流をめざしましょう。

<気になる症状>
前立腺肥大、尿が出にくい、排尿痛、血尿、疼痛(頭痛、胸痛、腰痛、関節痛など)、物忘れ、手足のしびれ、爪や唇の黒ずみ、舌の色が暗く舌にシミのような黒い斑点がある

<食の養生>
辛味、黒色の食材でサラサラ血流に。
玉ねぎ、らっきょう、ターメリック、サフラン、シナモン、よもぎ、黒豆、小豆、黒きくらげ、なす、昆布類、サンザシ、いわし、さば、酢など

【タイプ3】むくみやすい「痰湿(たんしつ)」タイプ

 飲み過ぎ食べ過ぎなどで「脾胃(胃腸)」の働きが落ちると、水分代謝が悪くなり、体内にベタベタとした「痰湿(余分な水分や汚れ)」が溜まるように。これが前立腺にも影響して、肥大を招く要因となります。前立腺肥大で尿が出にくくなると、さらに水分代謝が悪化して痰湿が溜まりやすくなる、という悪循環に陥ることも。

 このタイプは、まず体内に溜まった余分な水分を取り除き、身体をすっきりさせることを心がけて。合わせて食生活を改善し、脾胃を整えて水分代謝を良くすることも大切です。

<気になる症状>
前立腺肥大、尿の濁り、尿が出にくい、肥満気味、痰が多い、むくみやすい、食欲不振、お腹の張り、軟便、下痢、舌苔がベタつく

<食の養生>
余分な水分を取り除き、脾胃を整えましょう。
きゅうり、冬瓜、とうもろこしの髭茶、はと麦、緑豆、緑豆春雨、もやし、とんぶり、緑茶、 しそ、サンザシ、麦芽、みかんの皮(陳皮)、ゆず、カルダモン、粟など

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