『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)のメインキャスター羽鳥慎一氏は、黒いスーツにノーネクタイで、言い方は悪いが、お通夜帰りに自宅近くまできてネクタイを取った男性のよう。何か意図があったのだろうか。むしろ、谷原章介氏のように、喪服と言われようが、黒いスーツをきちんと着てしまったほうが潔いようにも感じた。

 そして、一般献花も始まり、国葬本番に近づくとやはり、出演者の衣装は真っ黒に! 『ひるおび』(TBS系)のメインキャスター恵俊彰氏は黒のスーツにノーネクタイで、真っ白なポケットチーフ。中に着たベストが濃いネイビーで喪服には見えないものの、全体的に黒い。コメンテーターも黒もしくはグレーで、ビタミンカラーの明るいスタジオにやはり違和感しかない。

 前出の三杉さんは、局アナ以外の出演者までもが「黒」を着用する背景についてこう推察する。

「番組のディレクターやプロデューサー側もはっきりと『黒い服を着てください』とは言わないでしょうが、そんな空気はかもし出すと思います。あと、局アナ以外の出演者はスタイリストが用意したものを着るだけという方もいるので、結果的には暗めの服装にはなるでしょう。いずれにせよ、出演者も番組に対する“忖度”はあるはずです。服装のことで自分自身がたたかれるならまだしも、番組に迷惑をかけたくないという気持ちはあると思います」

 ちなみに、国葬当日の芸能エンタメコーナーで各局が報じていた木村拓哉の服装はブラック。国葬の前日、26日に日本初の1試合予想くじ『WINNER』発表会に登壇したキムタクは、真っ黒いシャツに限りなく黒に近いグレーのスーツ、胸ポケットには真っ白いチーフの装い。「国葬の日の報じられること想定して!?」であれば、さすがキムタク!

 最後に三杉さんはこうまとめる。

アナウンサーたちの“喪服”姿は、うるさい視聴者からクレームを言われたくない、というテレビ局の事なかれ主義の弊害が現れた一例だと思います。正直言って、安倍元首相としても、全局のアナウンサーに黒い服を着て欲しいとは思っていないだろうと思います」

 岸田首相も明言したように、安倍氏の国葬は弔意を強要するものではない。そうであるならば、局アナや出演者の服装が「黒一色」となるのは、やはり違和感を覚えざるを得ない。(AERA dot.編集部・太田裕子)

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