一方、テレビ情報誌の編集者は違う俳優の名前を挙げる。

「ポスト香川という意味では、昨年末に大手芸能事務所を退社してフリーになった竹野内豊さんが適任ではないでしょうか。キャリアは申し分ないうえに、主演に対するこだわりもそこまで強くない。フリーになった今こそ、しがらみのない状態で仕事を選べるわけですから、香川さんのような振り切れた怪優にシフトチェンジするチャンスかもしれません」

■バラエティー系の後釜は藤木直人!? 

 一方、香川照之といえば情報番組のMCだけでなく、ボクシング番組や昆虫番組における博識ぶりでも人気者だった。“東大出身”に裏付けられた饒舌な語り口と豊富なボキャブラリーは、俳優としての次元をはるかに超えていたと言えるだろう。その点で、香川の後釜は誰がふさわしいのか。

「高学歴の50代俳優という点では、早稲田大学出身の藤木直人さんがいますが、香川さんと比べるとイケメンすぎて、お芝居がちょっと軽い感じは否めません。その点、バラエティー番組でも弁が立って人気なのが佐藤二朗さん。現在53歳で、オンエア中の『鎌倉殿の13人』でも怪演ぶりを見せつけていましたし、ツイッターでのつぶやきも面白く、フォロアーは200万人近くいます。役者としても苦労しながら相当のキャリアを積んできたので、香川さんの穴を埋められるほどのランクにはいると思います。あとは、阿部サダヲさんでしょうか。最近は主演作が続いていますが、座組み次第では屈強のラスボス役を引き受ける可能性はある。ストイックなお笑い劇団『大人計画』所属の看板役者なので、コントや歌はお手の物ですし、トーク力もすごいという異能の人。脇役仕事をもっと増やせば、香川さんを超える逸材だと思います」(前出の民放ドラマ制作スタッフ)

 ドラマウオッチャーの中村裕一氏は、ポスト香川についてこう分析する。

「これまでに彼が求められていた『狂気を帯びた怪演』というところでまず浮かぶのは佐藤二朗さんでしょう。バラエティー番組やツイッターなどからよき夫、よき父のイメージがありますが、昨年公開されたR-15指定の監督作『はるヲうるひと』では、売春宿の主人として、娼婦や弟役の山田孝之にスゴむ姿に戦慄(せんりつ)を覚えました。ほかには仲村トオル、反町隆史、高橋克典など、若かりし頃の“やんちゃ”なイメージのある俳優や、それこそ『半沢直樹』で香川演じる大和田とバチバチにぶつかり合った堺雅人の怪演も見事です。個人的には『振り返れば奴がいる』でどこまでもダーティーな医師・司馬江太郎を演じた織田裕二のラスボスはぜひ見てみたいですね。ベテラン俳優の振り切った演技を見たい視聴者はきっと多いはずです」

 香川が抜けた穴を埋めるのは、いったい誰か。(藤原三星)

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