銀座クラブでの性加害をめぐるスキャンダルで、ほぼすべてのレギュラー番組やCMが降板となった香川照之(56)。現在出演中のものはもちろん、10月から始まる連続ドラマ「アトムの童」(TBS系)の降板まで決まり、希代の人気役者が絶望的な状況に立たされている。週刊誌の芸能担当記者はこう言う。
【写真】降板をまぬがれた「六本木クラス」での香川照之の目ヂカラ
「一連の報道は『週刊新潮』のスクープが発端でしたが、最初は企業やテレビ局もどこも様子見でした。しかし、続報で掲載されたホステスの髪をわしづかみにする写真ですべて決まりました。香川さんの酒癖の悪さは昔から業界内では有名でしたけど、まさかこんな写真が撮られるほど脇が甘かったのか……というのが正直な感想です。このご時世、視聴者が最も嫌う性加害案件となれば、CMもドラマもすべて降板させざるを得なかったのでしょう」
唯一、降板を免れたのは放映中のドラマ「六本木クラス」(テレビ朝日系)だが、背景には複雑な事情があったようだ。
「香川さんは『半沢直樹』での怪演が話題になって以降、“最後に名前がクレジットされる大物俳優”として引く手あまたでしたし、『六本木クラス』でも敵役のラスボスを演じています。ここまで降板ドミノが続くと『六本木クラス』も代役を立てる可能性もあったと思いますが、最初に新潮の報道が出たのは第8話の前日であり、ここから代役を立てて撮り直すのは逆に悪目立ちしてしまう。しかも、同作は韓国の大人気ドラマ『梨泰院クラス』のローカライズのため、局側も相当な予算をかけて制作し、今後はアジアや北米などでも配信が予定されています。そのため、このまま最終回まで押し切るしかないと判断したのでしょう」(前出の記者)
しかし、芸能界において香川照之が抜けた穴は大きい。“最後に名前がクレジットされる大物俳優”を引き継げるような、「ポスト香川照之」はいったい誰なのか。民放ドラマ制作スタッフはこう予測する。
「香川さんのように存在感があって、しっかりしたキャリアもある50代の俳優と言えば、阿部寛さんや福山雅治さん、西島秀俊さんなど主演クラスになってしまう。ラスボスや上司として主演を引き立てるというポジションは、ここ数年、香川さんが独占していたと言っても過言ではありません。香川さんが降板した『アトムの童』の役はオダギリジョーさんが演じることになりましたが、彼はまだ40代。ラスボスにしては、やや厚みが足りない印象を受けます。そんななか、あえて50代の俳優で名前を挙げるなら、堤真一さんや椎名桔平さん、渡部篤郎さんあたりでしょうか。彼らは主演ではなくても、相当な存在感を発揮して主役と対峙できる俳優です」