僕の世代は、そういうことを考え出す狭間の年代なのかなと思ったんですよね。例えば、いまからコンビを組んで、「KOCやM-1に挑戦するぞ!」って、そんな姿は「見ていられない」と思うんですよ(笑)。

「キングオブコント2022」で優勝をしたビスケットブラザーズ
「キングオブコント2022」で優勝をしたビスケットブラザーズ

 何歳になっても何かに挑戦するということは、それはそれで美しいことだとは思いますよ。挑戦することを否定しているのではない。でも、仮に僕がいまM-1に挑戦したら大多数の人が「見ていられない」だと思うんですよ。なぜなら、視聴者はそこを望んでないから。

 ということは、何かをこれからやろうとするときに、人間って年相応のことを一生懸命やっていることが成功のカギなのではないか? それが人生の幸せのカギでもあるのかなと思ったんですよ。

 テレビの現場の場合、いま若い世代にウケないといけないから、「じゃぁTikTokに投稿だ」と言って、僕ら世代のオジサンがTikTokで猛烈にダンスを頑張ってみたところで、「見てられない」じゃないですか(笑)。

「見てられない」姿が、笑いが取れてばいいんですけど、面白いと言ったところで、一過性のもの。趣味としてオジサンがTikTokをやるならいいですが、それで利益を求めて、若者たちの流行っているものにのっかると、だいたい「見てられない」です。

 この「見てられない」問題に関して、仲間と飲みながら議論したんです。例えば、「僕がダンスを覚えてTikTokを始めたらどう思うか」という話になって、「面白ければいいと思う」という意見はあったけど、でも、「見てられない」って。

 その「見ていられない」問題の議論の中で女性から出てきた意見は美魔女! あれは「見てられない」と。美魔女の皆さんは、若い時も美人で、子育てが終わってもキレイに保っていて、もちろん美しいことは美しい。でも美魔女がボディラインを強調した服を身に着けていたり、若い子たちがやるようなルーティンなんかもTikTokで発信しているそうですが、それは「見てられない」そうです(笑)。

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いまをいかに素敵に生きるか