美魔女の皆さんは僕と年代が近いから、そういうことをやりたいという気持ちがわからなくもない。かわいいものを見つけたら、踊りながらTikTokで紹介してみたり、元々きれいだからかわいいドレスを着て振り向いた写真を投稿したいと思う気持ちはわかる。

 そんな美魔女の姿を見て、若い子たちは「見てられない」で、正直「キツイ」という感想しか持てないそう。それを聞いたときに、僕が20代のときに、50代の男性がハッスルしていると、見ていられなかったわけですよ。そもそもハッスルという言葉が古いが(笑)。それと同じだなと思った。「まだまだ若い子には負けんぞ!」とオジサン、オバサンがハッスルしているのを見ると、「いやいや、もういいから……」と思っていた。

 いま自分がその年代になったときに年相応の美しさというか、年相応の素敵さとか、そういうことは大事だなと改めて思った。若い子と一緒に何かをやることも素敵なことだし、大事なことだとは思うんですよ。それを否定はしていない。

 年相応という言葉はマイナスにとられてしまうこともあるけれども、プラスの言葉でもあるなと思った。だって、51歳の僕の年相応は、20歳の子にはマネできないから。

 生き方そのものは無理して若い子に合わせなくていいんだなと改めて思った。若い子に合わせていることが「見てられない」になるのかな。

 年相応の中でいかに楽しむかが人生なんだろうな。働き方も含めて。いま自分の年齢でやれることを堂々とやる。だって、オジサンなんだからしょーがねーだろうよ。悔しかったらオジサンになってみろよ!と、開き直りではなく、前向きに思う。

「あの頃が人生のピークだったな……」ではなくて、80歳でも小学校1年生でも、いまが一番素敵だと考えるのがいいと思う。「KOC」を見て、素直に笑い、素直に若手を認め、年相応の素晴らしさを考えている人なんて、いないと思うんですけどね。

■カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。オンラインサロン「竹山報道局」は、昨年4月1日から手作り配信局「TAKEFLIX」にリニューアル。ネットでCAMPFIRE を検索→CAMPFIREページ内でカンニング竹山を検索→カンニング竹山オンラインサロン限定番組竹山報道局から会員登録

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