ご夫妻は、コロナ禍では極力外出を控えた生活を送っていた。しかし、今年に入りわずかだが外出の機会も増えた。

22年6月、国立公文書館に手をつないで入る上皇ご夫妻(撮影/阿部満幹さん)
22年6月、国立公文書館に手をつないで入る上皇ご夫妻(撮影/阿部満幹さん)

 6月、沖縄本土復帰50年に合わせて開催する東京国立博物館の特別展「琉球」と千代田区の国立公文書館の特別展「沖縄復帰50周年記念特別展・公文書でたどる沖縄の日本復帰」をご覧になった。

 7月には小児がんのチャリティーコンサートを3年ぶりに上皇さまと鑑賞。演奏終了後には、小児がんと闘う子どもや患者や家族との対面の場で10年ぶりに患者の女性と再開し、美智子さまが驚いた様子で「亜美ちゃん」と声をかける場面もあった。

22年6月、国立公文書館に手をつないで入る上皇ご夫妻(撮影/阿部満幹さん)
22年6月、国立公文書館に手をつないで入る上皇ご夫妻(撮影/阿部満幹さん)

上皇さまが美智子さまの手をとって

 仮御所からの引っ越しの準備のために葉山御用邸で2週間滞在した4月のご静養は、久しぶりにおふたりが住民と触れ合い、笑顔を見せた機会だった。

22年4月、葉山にご滞在。上皇さまが美智子さまの腕を優しく支える(写真/読者提供)
22年4月、葉山にご滞在。上皇さまが美智子さまの腕を優しく支える(写真/読者提供)

 滞在中は、御用邸そばの海岸「小磯の鼻」を散策し、集まった住民と触れ合う。茶色い犬が座っていることに気づいた美智子さまがしゃがみ、「かわいい」といった表情で頭をなでる場面もあった。

「美智子さまは何かフレグランスをつけていらっしゃったのか、おそばにいらした時にフワッと良い香りが広がったのが印象的でした」(居合わせた旅行客)

 滞在の後半、この日は晴れていた。

 日傘を差す美智子さまの手はふさがっていた。やや急な階段を登る際、上皇さまは、美智子さまがよろけないよう腕に手を添えて身体を支えた。

 上皇さまが10年前に心臓のバイパス手術を受けてからは、美智子さまが上皇さまの身体を支えて歩くようになっていた。

 美智子さまは、20年5月から、午後になると発熱する症状が続いている。

心不全の診断指標であるBNP値も正常値を上回っている。今年の8月には、右ひざ下の静脈に血栓ができる「深部静脈血栓症」と診断されるなどの状態も続いている。

 美智子さまの体調を気遣ってなのだろうか。葉山では、前述のように上皇さまが美智子さまの腕を優しく支えて歩く光景があった。

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