国政選挙の際に事実上の「政策協定」を自民党議員と交わしていたと指摘され、「本部ではない」と答えていたのは世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の勅使河原秀行・教会改革推進本部長。では、地方組織はどうなのだろう?
【動画】自民党候補者の落選を涙ながらに悔しがる旧統一教会関係者はこちら(※画像は一部加工しています)
「昨日までの選挙、みなさまの大きな力を与えてくださいまして本当にありがとうございました。まず結果でありますが……」
会場に集まった人たちを前に、マイクを手に選挙結果について説明しているのは、議員でも事務所の関係者でもない。世界平和統一家庭連合・久留米家庭教会(福岡県久留米市)の南宏彦渉外部長だ。
昨年10月31日の衆院選で、同教会が支援していたという自民党候補者の当落結果などを、翌日の「南福岡教区孝情奉献礼式」で説明していた様子が動画で記録されている。
動画によれば、同教会が支援したのは、元環境相の原田義昭(福岡5区)、鳩山二郎(同6区)、藤丸敏(同7区)、岩田和親(佐賀1区)、衛藤征士郎(大分2区)の各氏だ。
まず、同教会は最も力を注いだという原田氏について、
「はじめに福岡5区です。みなさまに注目していただきましたが、惜しくも1万4609票の差で堤かなめ(立憲民主党)に負けてしまうという結果となってしまいました。最後までNHKの結果を待とうということで、家庭連合のメンバーとしては最後まで祈って待っていたんですけど、やはり出口調査の結果がそのまま出てしまったのかな、ということでありました。この票の動きとしましては、やはり『栗原票』と公明党の票を奪い返すことができなかったことが、一つの敗因となっております」
と説明した。
「栗原」とは、自民党の栗原渉元県議。原田、栗原両氏は1年以上党公認を争ってきた。地元議員や主要団体の多くが栗原氏に付いていたが、党本部は「今回は原田氏、次は栗原氏」と強引に裁定。この公認争いが最後まで響いた。
朝日新聞社が投開票日に実施した出口調査では自民支持層の約3割、自主投票とした公明は支持層の4割が堤氏に入れていた。