今オフのFA市場は大物選手が多い。西武・森友哉、阪神・西勇輝、楽天・浅村栄斗…そして、この選手もFA権を行使するか注目される。日本ハムの安打製造機・近藤健介だ。
卓越したミート能力は球界屈指で、2020年まで規定打席に到達した4度のシーズンで全て3割に到達。選球眼も良く、19、20年に2年連続最高出塁率のタイトルを獲得している。今季は5月上旬に右わき腹を痛めて1カ月半の長期離脱をしたため、99試合の出場にとどまったが、打率.302、8本塁打をマーク。出塁率.418をマークし、得点圏打率.363と勝負強さは健在だった。
今季のパリーグで規定打席に到達して打率3割を超えたのは、首位打者を獲得したチームメートの松本剛とオリックス・吉田正尚の2人のみ。毎年ハイアベレージを残す近藤の市場価値は高い。通算11年間で積み上げた安打数は1016本。29歳と若いのも大きな魅力で、今後も試合に出続ければ2000本安打の大記録も狙える。FA権の行使に備え、ソフトバンク、ロッテが調査していることが報じられているが、セリーグの球団も獲得に乗り出す可能性がある。
パリーグ球団のスコアラーは、近藤の魅力についてこう語る。
「吉田正尚と並んで最も打ち取りにくい打者です。ボール球に手を振らず、ストライクゾーンの球をきっちり捉える。バットコントロールの巧さは天才的ですね。敵にしたら本当に厄介ですが、味方になればこれほど頼もしい選手はいない。近藤を欲しくない球団はないと思いますよ」
日本ハムも当然、慰留に全力を注ぐ。新庄剛志監督の近藤に対する思いは強い。今月20日のドラフト会議では投打の二刀流でアマチュア球界を席巻した日体大・矢沢宏太の単独指名に成功。新庄監督は21日未明に自身のインスタグラムを更新し、「素晴らしいドラフトとなりました」と振り返った上で、「次はエスコンフィールドで近藤君と一緒に野球が出来る様に全力で願い続けます!!」と願いを綴った。