こうした状況もあり、「母性」の公開には期待が高まるが、いまSNS上では“戸田恵梨香待望論”が巻き起こっているという。テレビ情報誌の編集者は言う。
「主演映画としては3年ぶりで、原作も人気小説家・湊かなえさんの名作ミステリーとあって期待は高い。完成した映画を見た湊さんは戸田さんの鬼気迫る演技を絶賛したということで、業界内でも相当注目されています。また、来年1月にはTBSで1年半ぶりの連ドラ主演が内定したとの女性誌報道もありました。去年から今年にかけて降板騒動などいろいろありましたが、久々に女優・戸田恵梨香の新作が見られるとあって、楽しみにしているお客さんは多い。戸田さんの場合、若くして『LIAR GAME』や『SPEC』で大ブレークし、20代は毎年のように人気作に出演し続けました。アイドル女優ではなく、きちんとお芝居ができる正統派女優として一時代を築き、ほぼ休むことなく作品を量産し続けてきました。少し休んだところで、キャリアには何の問題もないと思います」
■分岐点となった「スカーレット」
20代で女優としての頭角を現した戸田だが、2019年に31歳で朝の連続テレビ小説「スカーレット」に主演。異色の朝ドラヒロインとして話題になった。そして、20年には人気俳優の松坂桃李との電撃結婚を発表した。
「新人女優の登竜門と言われている朝ドラで、30歳をすぎた戸田さんがヒロインを演じたのだから、話題となるのも当然です。それだけでなく、20代を人気女優として駆け抜けてきた戸田さんが30代になってしっかり作品と向き合ってヒロインを演じ切ったこの作品は、結果的に彼女の代表作になったと思います。すでに知名度もあり、女優としてのキャリアもしっかり積んでいる状態での朝ドラ主演は、相当なプレッシャーがあったはず。キャリアの分岐点となる作品をしっかりとやり遂げてから松坂さんと結婚し、作品だけでなく女性としての幸せな出会いにも恵まれ、女優としても一段階レベルアップしたように思います」(前出のテレビ情報誌編集者)
芸能評論家の三杉武氏は戸田についてこう述べる。
「戸田恵梨香さんといえば、ルックスのみならず、確かな演技力で性別、年齢を問わず幅広い支持を集めています。男性にこびない姿勢や、凛とした美しさ、芯の強さを感じさせるたたずまいなどから、とくに同性ウケに関しては、同世代の女優の中でも突出しているのではないでしょうか。現在はほぼ休業状態ですが、復帰待望論がファンの間から巻き起こるのもうなづけます。人気女優ということで独身時代は私生活も騒がれましたが、結婚してファンが離れるようなタイプの女優さんでもありません。復帰すれば、女優としてより大きな存在感を放っていくことでしょう」
圧倒的な演技で、再びファンを魅了する日は近そうだ。(藤原三星)