そもそも池田組と六代目山口組とはどういう関係か、池田組長がなぜ狙われるのか――。

 池田組長はもともと五代目山口組、六代目山口組の執行部を務める大幹部だった。2015年に六代目山口組から分裂した神戸山口組に発足時から加わり、そこでも要職に就くと、池田組は神戸山口組内でも大きな有力組織に。しかし、神戸山口組の上層部の対立が表面化すると、20年7月、池田組は神戸山口組を離れ、独立団体になっている。

 とはいえ、六代目山口組側に付くわけではなく、神戸山口組と「連合」を組み、六代目山口組と戦うことを今年10月に入って決めていた。

 この間、池田組が狙われる事件が何度も起きている。

 16年5月に岡山市内のマンション駐車場で男性幹部が拳銃で撃たれ死亡(実行犯は無期懲役が確定)。20年5月には同市内の組事務所の近くで男性幹部が銃撃されて重傷。今年5月には池田組に関係する施設に六代目山口組系組員の車が突っ込んだ。9月には組事務所の駐車場に止まっていた池田組長の車のボンネットにつるはしで穴を開けられ、その直後に今回の事件が起きた。

「まさに、六代目山口組と対峙(たいじ)する神戸山口組、連合を組んでいる池田組の壮絶な抗争だ。一連の抗争としては、これが最終戦争になりかねない」

 こう話すのは、元山口組顧問弁護士で76歳にしてユーチューバーとして「山之内幸夫チャンネル」を主宰する山之内幸夫氏。池田組に集中している襲撃に関して、背景をこう説明する。

「神戸山口組はもともと、井上邦雄組長の山健組が中核でした。しかし、山健組は二つ、三つと分裂し、神戸山口組は急速に力を失った。そこで、資金力豊富な池田組長の存在感が増していった。六代目山口組は、池田組をたたけば抗争をより優位に展開できると踏んで、一気に動いたのではないでしょうか。ただ本丸は神戸山口組ですから微妙ですが」

 最初は車だけが狙われ、次は刃物で池田組長本人を襲撃し、それが拳銃と犯行がエスカレートしている。

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