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 突き詰めると「欲張り」なんですよね。

 欲張ると、自分にも他人にも完璧さを求めてしまう。すると、なかなか達成できず、モヤモヤは蓄積していく一方です。

 でも、自分の必要合格ラインを知れば、完璧主義とは円満にサヨナラ。自分にとって現実的な到達レベル=満足の基準を持っていれば、「うん、これで十分だ」と、かなわない理想でイライラすることは減っていきます。

 例えば、おいしいお蕎麦屋さんを見つけたら、蕎麦が大好物の私にとってはそれだけでハッピーになれます。たとえ「店主がなぜかご機嫌ナナメでピリピリしている」「他のお客さんが大声でしゃべっていて落ち着かない」「量がちょっとお上品だった」などと不満に思うことがあっても、「おいしかったから、まぁいいや!」に持っていける。

 細かい不満で減点していくより、必要合格ラインが満たされていれば、よかったところを自分で大きく膨らませて、マイナスを相対的に小さくしてしまう。すると、不思議なことに、“後味”もいいし、「これでよし」という基準もどんどん下がってきます。

■「これでいいのだ!」ラインは見つかる

 日々、メディアやSNSからはあらゆるキラキラした理想が目に飛び込んできます。憧れることでモチベーションになるのであれば大いに利用すればよいのですが、落ち込んでしまったり追い立てられるように感じるならば、「人は人、自分は自分」と、距離を取る。

 そんなときこそ、「おっと、その世界は私とは違う価値観だし、そもそもそこまで望んでいないんだった!」と自分の必要合格ラインを思い出して、ぼやかさないようにしています。

「これで私は満足」という合格ラインがくっきりしたら、こっちのもの。フワフワ流され、いちいち疲れていた頃と比べると、「ここが自分のホームだから」と地に足がついた考え方ができるようになりました。自然に、まわりの人にやさしい気持ちで接することができますし、自分に対しても「ほんとよく毎日頑張ってるよね。えらいえらい」と大切なパートナーとしていたわってあげられるように。

 焦ったり不安になったら、自分の「幸せ」を言語化してみる。自分の「必要合格ライン」が見えてきたら、迷うこと、悩むこともぐんと減ってきますよ。

【ここまで聴いてくれたあなたへ】
あなたが「こうだったら幸せ」と思うのは、どんなことですか?

(構成/小川由希子)

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