ラジオDJとして25年、第一線で活躍し続ける秀島史香さんだからこそ見つけられた、誰でも再現できる「人が聞き入ってしまう会話のレシピ」を一冊に詰め込んだ『なぜか聴きたくなる人の話し方』からの連載。今回は、自分にとっての「幸せ」を言語化することの効用をご紹介します。
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■私にとっての“幸せ”って?
「あなたは今、ハッピーですか?」
こんなふうに聞かれたとき、あなたならどう答えますか? あらためて、自分が「A:幸せ」か、「B:幸せでない」か、2択を迫られると「ええっと、そんなパキッとしていないし……」と答えに困る人が多いと思います。
この問いかけ、任天堂の元・社長である岩田聡さんが、社員との面談で一番最初に投げかけていた質問なんですって。岩田さんの言葉をまとめた『岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。』(ほぼ日刊イトイ新聞編、ほぼ日)で知りました。
この問いかけを知って、まず思ったのは「私のハッピーってなんだろう?」ということ。自分が幸せかどうか、その問いに答えるには、自分にとっての「幸せの定義」をわかっていないといけません。
私にとっての幸せって、どんなことだろう。自分も家族も健康で、おいしいものを食べられて、仕事ができて、好きな本を読む時間があって……と、自分の日々の「幸せ」を言語化してみることにしました。
何をしているときに自分の“ハッピーメーター”はプラスのほうへ傾くんだろう。思いついたものを書き出してみます。それは、まっさらなところに、ひとつひとつ小さな幸せの積み木を積み重ねていくイメージ。
すると、思っていたより積み上がってこないのです。あらためて考えてみたら、自分が本当に求めているもの、ハッピーに過ごすために最低限ほしいものは案外そんなに多くない、ということ? それに気づけたのは新鮮な体験でした。
休日の朝、早起きして自然の中をジョギングするのが好きな人もいれば、昼までベッドでごろごろしながらスマホを見るのが好きな人もいます。つい私たちは前者を「理想的」「好ましいライフスタイル」と判断してしまいますが、究極的に言うならば「幸せ」は人それぞれ。