【※ネタバレ注意】以下の内容には、今後放映予定のアニメ、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。
【写真】刀鍛冶の里編で「キーマン」となる鬼殺隊のキャラクターはこちら
『鬼滅の刃』のアニメ「刀鍛冶の里編」の最新情報が、12月10日にやっと解禁されるという。2月に「遊郭編」の放送が終わり半年以上が経過する中、鬼滅ファンからは新シリーズ情報を待ちわびる声が上がる。「刀鍛冶の里編」では、鬼化した竈門禰豆子が見せる“表情の変化”も重要なポイントになる。今回は“特異な鬼”として登場する禰豆子について、神話学・伝承文学研究の観点から考察する。禰豆子が「竹の口枷」をしているのには、実は“神話的な意味”が隠されていた。
* * *
■鬼になってしまった少女
『鬼滅の刃』は、炭焼きの少年・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)とその妹・禰豆子(ねずこ)の物語である。鬼の始祖・鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)の血液が体内に入り、鬼化した禰豆子は記憶の一部を失って、幼い少女のようになってしまった。兄の炭治郎は妹を「人間に戻す」ため、戦いの旅に出かける。
鬼化した者は、人間を捕食することでしかエネルギーを得られず、強烈な飢餓感と暴力的な衝動にとらわれる。禰豆子はかろうじて人間を喰うことだけは思いとどまったものの、鬼としての性質をその身に宿してしまう。
ある時、禰豆子は炭治郎に襲いかかった鬼の首を、右足の蹴り一撃だけで、ふっ飛ばした。その様子を見た炭治郎は驚きを隠せない。
<こっ!!殺してしまった!!いやでも相手は鬼だから…!!(竈門炭治郎/1巻・第2話「見知らぬ誰か」)>
その攻撃は容赦のないもので、人間だった頃の優しい禰豆子からは考えられない残酷さだった。
■鬼たちの「感情」の特徴
『鬼滅の刃』に登場する鬼たちは、鬼化した直後は獣のように叫び、うなり声を上げ、理性を喪失した振る舞いをする。禰豆子も例外ではなかった。しかし、その後、多くの鬼は人間の言葉を話し、知性や感情も人間だった頃の名残を見せるようになる。