「川口さんは正統派美少女として人気だった10年ほど前にも主演ドラマが放送されていましたが、視聴率は低調でした。初主演した2011年放送の『桜蘭高校ホスト部』は、女子高生ながら男装してホスト部に入部し女生徒たちの心を癒やしていく主人公を演じましたが、平均視聴率は2.8%。また、12年に放送された、名探偵気取りの女子高生を演じた主演ドラマ『放課後はミステリーとともに』は平均視聴率1.5%で、両者とも深夜枠でしたが散々な数字でした。13年、ゴールデン枠で連ドラ初主演を果たした『夫のカノジョ』でも平均視聴率3.8%で、テレビ東京を除く2000年以降に放送された民放プライム帯の連ドラの中で最低を更新しました。9回放送の予定が8回で打ち切りとなり、このあたりで“数字が取れない女優”という印象がついてしまった感がありました」(テレビ情報誌の編集者)

■YouTubeチャンネル開設でファン増加

 現在は低視聴率の原因が主演俳優の責任とされるような風潮は薄れているが、そうしたイメージがついてまわるのは気の毒でもある。今の川口は確かな演技力を持ち、「silent」の演技も好評だ。

「年を経るにつれ、いい意味でのプレッシャーを抱えながら責任感も強く持てるようになってきたと昨年インタビューで明かしていました。現場での立場も変わり、より仕事にしっかり向き合えるようになったと語っています。また、必要とされることはやりがいにつながり、そうした環境に感謝しつつ、自分にできる表現で返すことを大事にしているそうです。そんな川口さんですが、ストイックというよりも、地道な努力で精神的にも成長し、与えられた仕事に粛々と取り組んできたからこそ、今の高評価につながってきたのだと思います」(同)

 今作では特に泣きの演技が評価されている。例えば、10月13日放送の第2話では、元恋人から「悲しませたくなかった」と別れた本当の理由を明かされ、じわじわ目にたまった涙があふれ出て号泣するというシーンが反響を呼んだ。他にもさまざまな泣き方を演じ、ネット上では「川口春奈の泣きって見てる側の涙誘うからほんとに演技がうまいんだと思う」「涙の流れ方まできれい」など、称賛の声が相次いだ。

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いまだに「高校生」も演じられる