トミー・ジョン手術から華麗な復活を遂げたバーランダーは今季28試合で18勝4敗、防御率1.75、185奪三振。3年ぶり3度目のサイ・ヤング賞獲得が濃厚なシーズンを送った。バーランダー自身は45歳まで投げたいらしいが、さすがに今オフに5年契約はないだろう。現実的には2年契約までが妥当と思われる。
ただし契約期間が短ければ短いほど1年あたりの年俸額は上がっていくはず。年俸3500万ドル(約49億円)の2年契約は十分に考えられるし、4000万ドル(約56億円)までなら出す球団が現れるかもしれない。アストロズ残留はあり得る選択肢だが、移籍するとすればドジャース、あるいはデグロムが退団した場合のメッツあたりだろうか。
その他にも需要の高い遊撃手には前述のボガーツやスワンソンがおり、先発投手ではカルロス・ロドン(ジャイアンツ)やカーショー、日本からメジャー移籍を目指す千賀滉大(ソフトバンク)、捕手ならウィルソン・コントレラス(カブス)、スラッガーならホセ・アブレイユ一塁手(ホワイトソックス)やアンソニー・リゾ一塁手(ヤンキース)などにも注目しておきたい。
最後にエンゼルスにも触れておこう。もしミナシアンGMの言うとおり大谷を放出しないのであれば、彼に24年以降も残留してもらうためには納得できる補強をする必要がある。捕手や遊撃手もウィークポイントだが、やはり最優先は先発投手だ。今季途中にノア・シンダーガードを手放し、マイケル・ロレンゼンはFAとなったため、来季も大谷を含めた6人ローテーションを組むなら最低2人は新たに必要。今季14勝のロドンや15勝のクリス・バシット(メッツ)らを獲得できれば大成功だが……。(文・杉山貴宏)