長山さんはこう指摘する。

「マスク氏はヘイトスピーチをする発信者に関して『私は人類に対して大きな信頼を置いている。大半の人々は善良で、そうではない人は少数だ』と発言しています。これは性善説に立った考えでしょう。しかし、ネットの言論は放っておくと人間の悪の部分が拡散してしまう危険性が高い。ブログの運営ひとつをとってみても、放っておけば新規投稿の大半はスパムといった状況があります。イスラム国が人を処刑する動画を投稿したらそのまま流していていいのか。マスク氏はネットの言論の負の側面を過小評価していると感じます。スパムや誹謗中傷、なりすましや危険な投稿などが放置されるならば、ツイッターはカオス(混沌)になると思います」

 ツイッターの役割が問われている。

(AERA dot.編集部・吉崎洋夫)

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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