33歳のピーター・ユーライン(米)は、グレースのさらに上を行く。2011年にプロ転向したユーラインは、PGAツアーでは10年間で404万3,733ドル(約5億7,000万円)を稼いできたが、「LIVゴルフ」では1,281万4,786ドル(約18億円)を8試合だけで獲得。これは、個人戦第3位に送られる400万ドル(約5億6,000万円)のボーナスと、チームのメンバーとして得た300万ドル(約4億2,000万円)を含めたものだが、“転職”したことで破格の“賃金アップ”に成功したと言えるだろう。

 ちなみにPGAツアーの2021-22シーズンの賞金ランキングを眺めてみると、ユーラインの1,281万4,786ドルは、同ランクトップのスコッティ・シェフラー(米)が25試合に出場して4勝するなどして稼いだ1,404万6,910ドル(約19億7,000万円)に次ぐ獲得賞金額。PGAツアーは、「LIVゴルフ」に対抗すべく、今季からの大幅な賞金額や待遇アップを打ち出しているが、こうした数字を見るだけで、いかに「LIVゴルフ」の賞金が巨額であることかがわかる。

 もちろん、「LIVゴルフ」や参戦している選手に対しては、世界ランキングのポイント付与やPGAツアーなどからの締め出しなど、解決に時間を要する問題もある。

 実際、「LIVゴルフ」に参戦した日本人選手は、PGAツアーからの通達により、PGAツアーが今年、主催または共催する試合に出場できなくなった。しかも来年以降の「LIV組」に対する処遇も不透明だ。

 現時点で言えるのは、「LIVゴルフ」への参戦は、“賃金アップ”は間違いないだろうけど、メジャーに出場できるのかなど様々なリスクにも晒されるということ。PGAツアーや各国のプロたちは、“転職組”の「その後」に何を思っただろうか。

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