LIVゴルフに参戦している香妻陣一朗
LIVゴルフに参戦している香妻陣一朗
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 突然だが、皆さんは転職を考えたことがあるだろうか?「今の仕事で満足」「検討中」「既に転職済み」など色々な方がいるだろう。

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 転職をする、考える理由も様々だ。給与アップやキャリアアップのためという方もいるだろうし、家族のためや、職場環境、人間関係の改善が理由になる方もいるはず。さらなるやり甲斐を求めて新しい職に就くということもあるだろう。

 転職を検討している人たちにとっては、転職組の「その後」も気になるはずだ。上手くいっている話を聞けば「僕も、私も」となるし、その逆なら現在の仕事に踏みとどまるという選択をするかも知れない。そして、転職に踏み切るか否かを決める際の一番の目安となるのが給与や待遇だろう。

 厚生労働省が発表した令和2年の「転職者実態調査」によると、賃金が転職により増加したと答えたのは39.0%で、減少したと回答したのは40.1%、変わらないという回答は20.2%だったという。つまり転職で賃金アップに成功したのは40%ほどだったというわけだ。

 ところが、ゴルフ界には“転職組”の多くが“賃金アップ”に成功した組織がある。2022年のプロゴルフ界で大きな議論を呼んでいる「LIVゴルフ」だ。

「LIVゴルフ」で転職と言ってもピンとは来ないだろうが、ここではツアープロの「LIVゴルフ」への“移籍”を指す。プロゴルファーは個人事業主なので、「転職」という表現は正確ではないが、ゴルフをプレーして生計を立てるという仕事内容こそ変わらないものの、職場となるツアーが変わるという点では、会社員が職場を変える転職と変わらないだろう。

「LIVゴルフ」といえば、サウジアラビアのオイルマネーを資金源にした破格の移籍金と巨額の賞金が話題だ。今年開催された各大会の賞金総額はそれぞれ2,000万ドル(約28億円)、チーム戦の総額は500万ドル(約7億円)。10月末の最終戦では賞金総額5,000万ドル(約70億円)で、チーム戦の優勝チームには一人当たり400万ドル(約5億6,000万円)の合計1,600万ドル(約22億4,000万円)が与えられ、9位から12位でも1人あたり25万ドル(約3,500万円)で合計100万ドル(約1億4,000万円)が送られた。

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日本から参戦した選手の賞金も…