「生活保護」の状態から、奨学金や借金でハーバード大学に進学したパトリック・ハーラン(パックン)。現在では東京都心に邸宅を構え、お金に悩まされずに、家族と楽しく過ごしています。この大逆転の理由を、パックンは「お金を育てる方法」を知っていたから、と語ります。最新刊『パックン式 お金の育て方』では、誰にでもマネできるお金との付き合い方を紹介しています。ハーバード時代に付き合っていた彼女のお父さんから教わった、投資の本当の目的とは!? 「大金持ち」やFIREを目指すのではなく、人生の自由度を増すためのパックン式のメソッドを、本書から一部を抜粋・再編して大公開します。
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■お金に悩まされるなんて、もううんざり
この記事を読んでいるみなさんは、きっとお金を増やしたいはず。
違いますか?
では、もう少し深く、どうしてお金を増やしたいのかを考えてみてください。「フェラーリを乗り回したいから?」「モテたいから?」それとも「なんとなく将来が不安だから?」
たぶん十人十色で、人それぞれ理由は違うと思います。
ちなみに、僕の場合は、大金持ちになりたいわけではありません。
高級車にも豪華な食事にも、派手なパーティーにも、そんなに興味がない。豪華絢爛なセレブ生活も、1日くらいは経験したい気もするけれど、すぐ飽きるだろうね。
じゃあ、なんでお金を増やしたいかというと、「お金をあまり気にしない状態」を作りたいから。
この考えには、僕の子ども時代の経験がおそらく影響しています。
僕の母はお金の心配をいつも抱えていました。「銀行の残高がマイナスにならないか」「次の収入はいつ入ってくるのか」
そんな心配から涙を見せることも多くありました。
あの姿を見たとき、僕は「母の助けになりたい」と思いながら、「自分は母のような心配を抱えたくない」とも強く思っていました。
別に贅沢がしたいわけではない。でも、普段の生活がギリギリではなく、ある程度のゆとりは欲しい。
行きたいところに行ける。会いたい人に会える。やりたい仕事ができる……。
そういう拘束されない、自由な人生を生きるために、お金を増やしたいと思っています。