このシーンが撮影されたのは、世田谷代田駅から下北沢駅まで歩く途中にある「シモキタ雨庭広場」。この広場に、青いニットのセーターを着た女性2人組がいた。実は、2人とも青い服を着ているのには理由がある。
「青いセーターは川口春奈ちゃんがドラマの中で、毎回のように着ているから。でも私たち2人して青のカーディガンだとちょっと恥ずかしいかなと思って、私だけは上に黒のコートを羽織ってきました」
確かによく見ると、ロケ地巡りをしている人たちの中には、青のニットを着ている女性の姿をちらほら見かける。服装も似せて、ドラマを追体験したい人が多いのだろう。
そこから、下北沢駅まで歩き、駅近くの喫茶店「ビオ オジヤン カフェ 下北沢店」に向かった。第2話で、想と奈々が手話で会話したシーンで使われた店だ。案の定、放送後は大反響だったと斉藤友明店長が明かす。
「放送の翌日には、『ここですよね』と言って、多くのお客さんが来てくれました。放送前に比べて、売り上げが170%くらいになりました」
放送後、ドラマで使われた席はあえて空席にしているという。
「誰か座ってしまうと、空くまで取り合いになってしまうので。空席にしておけば、お客さんが好きに写真を撮れますから」(同)
もうひとつ、外せないカフェがある。下北沢駅から京王井の頭線に乗り3つ目、神泉駅から徒歩8分ほどのところにある「Anea cafe 松見坂店」だ。現地に着くと、夕方なのに店の前には長い行列ができていた。筆者も最後尾に並んだが、お店に入れたのは1時間10分後。待っている間、後ろに並んでいた横浜市の高校2年生・中村百花さん(16)に話を聞いた。
「この店ではカフェラテを注文すると、(頼めば)ラテアートでsilentと書いてくれるので、それを注文したいと思って来ました。『silent』は同級生もめっちゃ見てますし、今、一番話題になっています」
このカフェはドラマで毎回のように登場し、想と紬が重要な話をする時の待ち合わせ場所でもある。それゆえ、いつも行列ができる人気店となっているが、ドラマ席に座るには事前の予約が必要だ。