このベンチに行くと、女性2人組がまさに“缶のコンポタ”を持って座っていた。2人は墨田区内の高校1年生だという。
「本物のコンポタは、フタ式なんで、ちょっと形が違うんですけど、似たようなものを探して買ってきたんです」
と1人が笑って見せてくれた。
「Snow Manが好きで、ドラマを見て、毎回キュンキュンしています。先の展開がわからないのもドキドキしますね」
ベンチの近くには、第1話で想がフェンスをつかみながら泣き崩れるシーンの撮影場所がある。
「私もフェンスにつかまりながら、しゃがみ込みました。同じ格好をすることで、雰囲気を追体験したかったんです」(前出の高校1年生)
ベンチがある公園に続く「代田富士見橋」も定番の人気スポットとなっている。
想は3年前、付き合っていた紬と理由を告げずに別れている。橋の上で、想は耳がだんだん聞こえなくなったことを、初めて手話で紬に告白する。多くの人が涙したであろうシーンだ。
その橋の上で撮影していた3人組の女性たちは都内の大学1年生。口々にこう話した。
「放送のあった翌日の金曜日に大学へ行くと、『泣いた?』と言うのがしょっぱなのあいさつ。見ていないと言ったら、のけ者ですよ(笑)」
3人組の1人は、「『silent』が楽しみで生きています」と絶賛する。
「最近のドラマとはちょっと違う。ベタな恋愛ドラマに飽きちゃっているので、『silent』は新鮮です。音のない静かな世界で、手話で会話するからこそ、伝えたい感情がリアルに映像に出てくる感じがいいんですよね」
もう一組、豊島区から来ていた幼なじみという女性2人組にも話を聞いた。そのうちの25歳の女性は、紬になりきって撮影したと話す。
「私はSnow Manの目黒君が好きなので、橋の上でも、紬目線で、スマホを目黒君がいる方向に向けて撮りました」
前述のように、「TVer」の再生数は第4話が歴代最高記録を更新した。その第4話で、紬と湊斗が広場で、通りすがりの犬の散歩の飼い主に「(犬を)ワシャワシャしていいですか」と話しかけ、犬をなでる場面がある。ちょうど、夏帆が演じる奈々と想もその近くを歩いていて、湊斗と想の目が合うというシーンだ。