山懸教授は「あまり知られていないが、保護者からの苦情を受け入れる制度はある」と説明する。
保護者らからの苦情を受け付け、それを解決するために客観的な立場から動く「第三者委員」を、ほぼすべての保育園で設置している。
また、第三者委員での解決が難しい場合には、各都道府県の社会福祉協議会にある「運営適正化委員会」に相談することができる。状況を調査し、問題があれば助言・勧告する役割を持っている。
山懸教授はこういう。
「多くの保育士が適切に保育しているが、人間の行為なので、積極的にやるかどうかは別にして、必ずどこかで問題は起こってしまう。不適切な保育が起きたときに『それはダメだ』と周りの保育士も保護者も立ち上がることが、子どものためにも重要です」
(AERA dot.編集部・吉崎洋夫)